片山、大山を守れ!1日40万円の防弾車で送迎


従来6ミリの窓ガラスを厚さ21ミリの防弾ガラスに替えてある防弾車(読売新聞社提供)

従来6ミリの窓ガラスを厚さ21ミリの防弾ガラスに替えてある防弾車(読売新聞社提供)

 リオデジャネイロ五輪に出場するゴルフ日本代表選手の安全を守るため、日本ゴルフ協会(JGA)が防弾仕様の特別車を手配したことが1日、分かった。男子代表の片山晋呉(43)=イーグルポイントGC=らが宿泊するコンドミニアムは、会場となるオリンピックGCまで車で約25分かかるため、防弾ガラス&防弾ボディーの特別車で送迎する。

 人口10万人当たりの殺人発生率が日本の25倍、強盗に至っては660倍にも及ぶなど銃による犯罪が多発しているリオデジャネイロ市で、防弾仕様の特別車が選手たちを安全にコースへ送り届ける。車のボディーには防弾パネルが取り付けられ、ガラスには銃弾を貫通させない特殊加工が施されている。テロなどの際には強固なシェルターにもなり得る。関係者によると「レンタル料金は運転手代込みで1日当たり40万円」だという。

 JGAは選手村を含めて計4か所の宿泊施設を確保している。池田勇太(30)=日清食品=は会場となるオリンピックGCの敷地内にあるコンドミニアムに宿泊するが、片山と大山志保(39)=大和ハウス工業=は、日本オリンピック委員会(JOC)が手配したコンドミニアムに滞在する予定。同所は会場から約12・5キロ離れており、車での移動には約25分かかると見られている。

 選手たちは大会関係者専用の車線「五輪レーン」で移動することができるが、日本代表の丸山茂樹ヘッドコーチ(HC、46)は「JGAには、安全面を考慮して防弾車を増やしてほしいと話してきた」という。片山も「どんなところか想像もつかないから不安はある」と話していたが、防弾車で五輪レーンを走行することで、選手たちの治安に対する不安が軽減されることは間違いない。

 ブラジルでは世界最多となる年間10万台以上の防弾車が生産されている。企業や政府の要人だけでなく、一般のツアー客が利用する空港と宿泊ホテルの防弾車送迎サービスもある。6月の五輪監督会議では、JOCが安全管理マニュアルを配布し「強盗に他人が襲われているのを見ても、むやみに助けに行かない」などと注意喚起。他競技の選手や関係者も防弾車を手配しているという。

 ゴルフ代表の一部選手、関係者にはJOCから選手団の公式ウェアがいまだに届いていないなど不備もあるが、片山は「ここまできたら楽しむしかない」と腹をくくっている。大山も「出るからには金メダルを目指す」と力強い。日本代表のプライドを持って全力プレーを見せる覚悟だ。

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