◆リオデジャネイロ五輪 女子ゴルフ最終日(20日・五輪ゴルフコース=パー71)
女子の最終ラウンドが20日、オリンピックGCで行われ、15位からスタートした今季米ツアー2勝の野村敏京(23)=フリー=は6バーディー、ボギーなしの65をマークし通算9アンダーで4位。メダルへあと1打届かなかった。41位で出た大山志保(39)=大和ハウス工業=は74と伸びず8オーバー42位。66で回った朴仁妃(28)=韓国=が16アンダーで優勝した。
3位でホールアウトした野村は、クラブハウスで後続のプレーを見守った。結果的にはメダルへ1打届かない4位だったが「今日は本当に頑張りました。満足感の方が大きい」。攻め抜いた最終日の18ホールに後悔はなかった。
初日の11番で20センチの“お先”パットをパターの裏側で入れようとしたが外してボギー。「人生で初めてだった」とラウンド後に涙した凡ミスが、メダルへの1打を分けた。日本代表の丸山茂樹ヘッドコーチ(HC)は「一打の重さを彼女自身が感じているんじゃないか」と話した。
112年ぶりに復活した五輪での戦い方は、通常のツアーとは異なったという。普段は自分の調子や周囲のスコアの伸び次第で「今週はトップ5でいい」「トップ10を目指そう」と目標を切り替えながらプレーできる。「普通の試合なら4位だったら賞金がもらえるし、トップ5はうれしい。でも五輪は3位までしかメダルがもらえない。悔しさが違う」と表現した。
「私はただのゴルファー。私はゴルフをするだけ」と言い切った。米ツアーを主戦場とする23歳は日の丸の重圧を、たくましい精神力で封じた。「出て良かった。次も出たい」。1打を取り返す舞台は東京五輪に持ち越された。(高木 恵)