◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディス第2日(8日、静岡・東名CC)
雨と濃霧による2度の中断の末、99人がホールアウトできずに日没サスペンデッドとなった。第3ラウンド(R)は9日の天候などを考慮してプレー不可能と判断され、第2Rまでの36ホールで競技が成立する。ツアーで初めて同組で回った2人のアマチュア、畑岡奈紗(なさ、17)=茨城・ルネサンス高3年=と勝みなみ(18)=鹿児島高3年=は、ともに伸ばして首位と1打差の通算4アンダーで暫定4位に並んだ。9日の最終日はツアー史上初のアマ2勝目をかけた9ホールの同組決戦となった。
ツアー2勝目を狙う最強アマチュア同組対決が白熱した。アマで史上初めて前週のメジャー、日本女子オープンで優勝した畑岡は、2度の中断などで計3時間以上も待たされる難しい条件下でも、優勝戦線に堂々と踏み止まった。アウト9ホールを1バーディーの35で、首位と1打差をキープした。勝との同組にも「私はいつも通りでしたね」と冷静。中断中はストレッチや体操、ジャンプを繰り返して準備を怠らなかった。
雨の影響で約30分遅れでスタート。1番で雨が激しくなり、いきなり中断。2番ティー脇の小屋でおにぎりをほおばった。「セブン―イレブンの鶏五目が好きで。こだわりがあるみたい」とキャディーの母・博美さん(46)。隣の勝とも「それ、おいしいよね」と意気投合。続く3番ティーは濃霧で長時間待たされ、話をしていると勝のキャディーを務めた母・久美さん(49)と畑岡の母の誕生日が同じ2月22日であることが発覚。「本当?」などと笑い合い、和気あいあいとした空気も流れた。
勝とは因縁の同組対決だ。14年8月の日本ジュニア選手権。2位に6打差をつけて最終日を迎えたが、同組で回った同級生の勝に大逆転負け。父・仁一さん(51)は「会場で泣いて、車で泣いて、帰宅後にも泣いた。あんなに奈紗が泣いたのは初めて見ました」と振り返った。それをバネに成長を遂げ、日本女子オープン制覇につなげた。
上位陣はいずれも9ホールを残しており、9日は短期決戦で優勝を争う。アマ2人はともに1打差4位。「ピン位置も分かっているので、全ホールでバーディーを取るくらいの勢いで頑張りたい。今日も直行します」と、前夜食べた「勝負飯」というココスの「魚介のスープスパゲティ」で栄養補給。プライドをかけ、歴史的なアマ2勝目に挑戦する。(榎本 友一)