◆男子プロゴルフツアー ツアーワールド・カップ第4日(9日、茨城・石岡GC、7071ヤード=パー71)
日没順延となっていた第3ラウンドの残りと最終ラウンドが行われ、リオ五輪日本代表の池田勇太(30)=日清食品=が6バーディー、1ボギーの66で回り、通算14アンダーで韓国の宋永漢(25)=新韓銀行=と並んで18番でのプレーオフ(PO)に突入。ともに4ホール連続パーで決着がつかないまま日没となり、1999年の日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足以降初めて、POが翌日(10日)に持ち越された。
薄暮のPO決戦の決着は、翌朝に持ち越された。日没を迎えた午後5時15分、池田はJGTOの小山和顕ツアーディレクター(53)の翌日順延の提案に「それしかない」と即答した。午前7時半からの第3Rの残り3ホールを含め、約10時間で計25ホールをラウンド。長い1日にも「できればビシッと決着をつけたかったが、これもこれなので」と疲れた表情は見せなかった。
POの舞台となった18番は、池田にとって鬼門だった。3週前のANAオープンと前週のトップ杯東海クラシックの直近3試合中2試合で、最終日の18番でボギーをたたいて1打差の2位に終わっている。PO3ホール目では「打った瞬間、入ったと思った」という5メートルのバーティーパットがボール1つ分届かず、勝負を決められなかった。
日没のPOにも因縁があった。12年9月のトーシントーナメントで呉阿順(中国)とのPOに突入。日没後のため1ホールごとに距離を短縮する「特別ルール」で争われ、4ホール目の45ヤードのアプローチ勝負で敗れた。「ああいうのがあったから今回こう(順延)なったんでしょう」。不完全燃焼だった4年前を振り返り、「きっちり決着をつけたい」とフェアな条件での完全決着を歓迎した。
10日のPO“延長戦”は、午前7時半にスタートする。ゴルフ場が通常営業日のため、7時から一般ゴルファーがプレーする中、ギャラリーは入れずに18番で池田と宋の一騎打ちとなる。小山ディレクターは「表彰式も簡素なものになる。とにかく勝負だけをつける」と説明した。
池田は4月のパナソニックオープン以来、勝利が遠ざかり「きっかけになるキーポイントが何なのかを見つけたい」と自問自答を繰り返している。因縁の日没POを乗り越え、鬼門の18番で今季2勝目を決められれば、浮上の答えが見つかりそうだ。
(勝田 成紀)
◆月曜日のプレーオフ(PO) 1999年の日本ゴルフツアー機構発足後では初めて。また日本女子ツアーでも88年のツアー制度施行後、例がない。米男子ツアーでは2003年フォード選手権で、スコット・ホークとジム・フューリク(ともに米国)が17アンダーで並びPOへ。3ホール目で日没のため順延。ホークがバーディーを奪って優勝した例などがある。米女子ツアーでは12年のキングスミル選手権で申智愛(韓国)がポーラ・クリーマー(米国)と16アンダーで並びPOへ。8ホールを戦っても決着がつかず順延。申が9ホール目でパーセーブし優勝した例がある。なお、男女とも全米オープンは月曜日にPOを実施する決まりとなっている。