左肩激痛…勇太、棄権寸前から初ホールインワン、首位タイ浮上


15番で右ラフからセカンドショットを放つ池田勇太

15番で右ラフからセカンドショットを放つ池田勇太

  ◇男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス 第2日(18日、宮崎・フェニックスCC、7027ヤード、パー71)

 4打差13位から出た賞金ランク2位の池田勇太(30)=日清食品=が左肩痛に耐え、3番でツアー初のホールインワンを達成。67で回って通算7アンダーとし、ブルックス・ケプカ(26)、スマイリー・カウフマン(24)=ともに米国=と並び首位に浮上した。首位発進を決めた賞金ランクトップの谷原秀人(38)=国際スポーツ振興協会=は73と崩れ、2打差5位に後退。

 一瞬、痛みを忘れるほどうれしかった。180ヤードの3番パー3。池田が6アイアンで放った球は、グリーン手前のカラー付近に着弾すると、スライスラインを描いてカップに消えた。ツアーでは自身初のホールインワン。痛めている左手を上げ、笑顔で声援に応えた。

 15日の練習前、左肩に激痛が走った。連日マッサージなどの治療を受け、何とか出場した。17日夜もはり治療などを受けたが「昨日より今日の方が痛い」と効果はいまひとつ。ショットを打ち終えるたびに、ポロシャツの中に氷のうを入れて左肩を冷やした。「今日は雨で寒かったし、冷やし過ぎるのも良くない。後半に入って痛みが増した」。何度も顔をゆがめた。

 めげなかった。9番で約4メートルを決めてバーディー。16番では残り121ヤードの第2打をウェッジで20センチに寄せ、圧巻のバーディーだ。「ホールインワンはラッキーだった。あれ(16番)はうまく打てたね」。逆転の賞金王へ、文字通り“けがの功名”となった。

 ゴルフ界きっての酒豪として知られるが、16、17日は一切、アルコール類を口にしなかった。万全を期すための“酒断ち”だった。17番は約3メートルのパーパットを外してボギーをたたいた。「左手の握りがいまいち。(パターの)距離感にばらつきがある」。痛みの悪影響は予想以上だったが、ボギーを2つにとどめ、最善を尽くした。

 優勝賞金は4000万円。賞金ランクトップの谷原との差は約865万円で、勝てば文句なしで逆転する。初のキング戴冠へ欲が出そうな状況だが、よほど痛みが強いのか、池田は「明日またプレーできたらいい。その繰り返しでしょうね」などと終始、弱気だった。左肩はなかなか上がらないが、成績は右肩上がりといきたい。(高橋 宏磁)

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