松山&遼、強風とハエに苦戦も日本勢14年ぶり3度目V誓う


練習ラウンドの6番、松山(左)が打ちやすいように垂れ下がった葉をクラブで上げる石川

練習ラウンドの6番、松山(左)が打ちやすいように垂れ下がった葉をクラブで上げる石川

 【メルボルン(豪州)21日=浜田洋平】男子ゴルフの国・地域別対抗戦、ISPSハンダゴルフワールドカップ(W杯)は24日から4日間、当地のキングストンヒースGC(7111ヤード、パー72)で行われる。松山英樹(24)=LEXUS=と石川遼(25)=カシオ=が出場する日本は練習ラウンドを行ったが、強風とハエに苦戦。それでも、2013年以来2度目の出場となる遼は、日本勢14年ぶり3度目の優勝を誓った。

 11番のティーグラウンドで休憩中、昼食のハンバーガーに思わぬ“敵”が群がった。松山と石川は練習ラウンドで18ホールを回ったが、コースではハエが大量発生。歩いていても5、6匹は顔のまわりを飛び回り、「ブ~ン」という落ち着かない音が、アドレスに入っても集中を妨げた。

 地元の男性は「この季節になると、増えるんだよ。気温と湿気かもね」と説明。この日は最高気温35度、平均湿度73%と初夏の天気。ロイヤル・メルボルンGCでの2013年大会に出場した遼は「全く気にならないことはないけど、もう慣れた。自分のリズムで打てば、気にならない」。一方で13年にプロ転向後、豪州で初の試合となる松山の関係者は「米ツアーでもこんなに多いことはない」と困惑。大会側に要望し、現地のスプレー式防虫剤を用意した。まだ使用していないが、我慢ならないときには秘密兵器となるはずだ。

 そのハエがいなくなる瞬間がある。風が吹いたときだが、この日の平均風速は12メートル。コースは海から約5キロのところにあり、尋常ではない強風が吹き荒れる。「風がなかったらスコアをつくれるけど…」と遼。18日のコース入り後にはキャディーバッグも倒された。風が吹けばハエは去るが、球のコントロールが難しくなる。「風&ハエ」のコンビネーションに立ち向かわなくてはならない状況だ。

 今大会は初日と3日目にフォアサムを採用。どのボールを使うかは検討中だが、この日は松山が愛用するスリクソン・Zスターで交互に打ち合った。松山の世界ランクは今大会出場選手中、最高位の6位。盟友の指名でコンビを結成した遼は「今、世界で一番強い男。これ以上ないパートナー」と絶大な信頼を寄せた。日本の2トップによる世界への挑戦が始まる。

 ◆ゴルフW杯とは 1953年から行われる国・地域別対抗戦で、今年は28の国と地域から各2人ずつ計56選手が参加する。2009年まで毎年開催後、不定期開催となり次回は未定。今年から各国の世界ランク最高位の選手がパートナーを指名する規定に変更。日本代表の優勝は2回あり、57年の中村寅吉、小野光一組(中村は当時の個人戦でも優勝)、02年の伊澤利光、丸山茂樹組。前回13年大会では、ジェーソン・デー(豪州)が個人戦で優勝。アダム・スコットと組んだ国・地域別対抗戦も豪州が制した。前回の賞金総額は700万ドル(当時で約7億円)。

最新のカテゴリー記事