◆米男子プロゴルフツアー フェニックス・オープン第2日(3日、米アリゾナ州TPCスコッツデール)
2位で出た大会連覇を狙う松山英樹(24)=LEXUS=は4バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーの3位で首位と1打差をキープした。金曜日最多の17万人近い観衆が詰めかけた大会で、ショット、パットの好調とライバル脱落という「3つの追い風」とともに史上6人目の連覇を狙う。安秉勲(アン・ビョンフン、25)=韓国=、ブレンダン・スティール(33)=米国=が10アンダーで首位。
怪物の目が、早くも連覇を捉えた。松山は3番で右ラフに打ち込みながら、第3打を2メートル半につけてバーディー。後半は最終18番で今週初ボギーを叩いたが、高精度のショットを武器に2つ伸ばして68。9アンダーの3位で首位と1打差を守った。「悪くない位置。普通にやれば(勝つ)チャンスはある」。3打差4位で決勝ラウンドに進んだ昨年を上回る好位置に、気合をみなぎらせた。
16万9004人が詰めかけ、金曜日最多を更新した。今大会は14年から3度の出場で4位、2位、優勝。さらに世界ランク5位は出場選手最上位と米ツアー屈指の中心選手に成長した。ギャラリーから盛んに飛ぶ「HIDEKI!」の声にも「普通にプレーできた」と、笑みはほとんどなく緊迫感も漂わせた。
大会史上6人目、男女通じて日本人2人目(88年岡本綾子)の米ツアー連覇へ3つの追い風が吹く。
《1》パーオン率トップ
2日間のパーオン率が全体1位の88.89%とショットは変わらず絶好調だ。
《2》パット復調
パットで何打の損得があるかを示す「SGP」は、今季マイナス0.265で米ツアー139位だが、今週は2日間で2.023の25位。前週まで調子を崩していたが「パットが入ってくれることを祈りながらプレーしたい」と優勝への鍵と捉えている。
《3》ライバルが予選落ち
今季、松山が2位で優勝を逃したのは2度。この2試合を制したジャスティン・トーマス(23)=米国=が、76位で姿を消した。
不安があるとすれば、首の状態か。右肩を回すしぐさが何度か見られ、この日はテーピングを施した。「(体の)状態は良くはないけど、ゆっくり休めば治る」。昨年は腰痛を抱えながら優勝した男に、死角は見当たらない。
◆SGP ストローク・ゲインド・パッティング(Strokes・Gained・Putting)の略で、米ツアーで11年に採用されたパットの貢献度を示す指標。ある距離のパットに費やしたストロークを、同一ホールでのツアー平均ストロークから引いた数値。パットで何打分の損得があるかが分かる。日本ツアーは選手の全ショットを記録していないため、算出できない。