
優勝カップを手に笑顔を見せる内田ことこ(カメラ・山崎 賢人)
◆女子プロゴルフツアー ミネベアミツミレディス 最終日(13日、北海道・真駒内CC空沼C=6688ヤード、パー72)
北海道出身の内田ことこ(22)=加賀電子=が初日からの首位を守り抜く完全優勝で涙のツアー初勝利を飾った。6バーディー、3ボギーの69で回り、通算16アンダー。後続に6打差をつける圧勝劇を地元で見せた。本名の「琴子」から「ことこ」に変更し選手登録。冬場は南幌(なんぽろ)町のキャベツ畑の納屋でクラブを振り続けた少女が、プロ5年目で悲願の1勝にたどり着いた。女子ツアーは今季17試合を終え、初優勝は6人目となった。
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内田の両親はコースで優勝の瞬間を見届け、ともに涙を流した。ツアーに同行する母・洋子さん(50)は「信じられない。努力しているところを見ていたので、いつか実ったらいいなと思っていた」とハンカチを濡らした。
父・崇広さん(55)は娘が大きくなった時に、一緒にできるようにとゴルフの道へいざなった。ことこが小学1年時に夫婦で話し合い、本格的にゴルフをやらせてみようと決めた。「自分のゴルフに使うお金と時間を全部、ことこに使いなさい」と妻から厳命された。コロナ禍の20年には、娘のために栃木・東松苑GCに電話し、中嶋常幸の弟・中島和也社長に直談判した。「あの環境がなかったらプロテストに受かっていなかった。社長には感謝しきれない」と涙をぬぐった。(恵)