米男子ゴルフのジェネシス・オープンは16日(日本時間同日深夜)から4日間、米カリフォルニア州のリビエラCCで行われる。世界ランク5位の松山英樹(24)=LEXUS=は14日、会場内で記者会見に臨んだ。2020年東京公式会見五輪の開催コース問題について初めて言及し「できれば霞ケ関カンツリー倶楽部(埼玉・川越市)でやってほしい」との希望を語った。また、世界ランクトップ10のうち8人が集う今大会で優勝すれば、日本男子初の世界ランク1位になる可能性も出てきた。
日本のエースが揺れる東京五輪の会場について、熱い思いを初めて告白した。松山は、大会公式会見の席で霞ケ関CCが女性正会員を巡り、五輪開催が問題視されていることについて、海外メディアから質問されると、口を開いた。「メンバーシップのことでいろいろ問題はあると思う」と前置きしつつ、「僕自身は(メンバーのことは)あまり気にしないようにしている。あの勝利のおかげで今、ここにいると思うので霞ケ関CCでやってほしい気持ちは人一倍強い」と複雑な胸中を言葉にした。
松山は東京五輪開催予定の霞ケ関CC東コースで、2009年に行われた日本ジュニア男子15~17歳の部で完全優勝。10年に同CCで開催されたアジア・アマチュア選手権も制した。日本人アマで初めてマスターズ出場権を獲得し、翌年4月の本戦も27位で日本人初のローアマに輝いた。日本の怪物にとってはまさに、“世界一を志す原点”となった思い出深いコースだ。
ゴルフが112年ぶりに五輪舞台に復帰した昨夏のリオ大会は、ジカ熱などへの不安から代表辞退。20年大会については「日本でやるということで、ぜひ出られたらうれしい」とこの日の会見でもあらためて初出場へ前向きな姿勢を見せた。出場すればコースとの相性や気候といった“地の利”もあり、金メダル候補となることは間違いない。
今大会の会場は24年五輪開催地に立候補しているロサンゼルスのゴルフ競技会場だ。それについて聞かれると「そうなればうれしい」と14年の初出場以降23位、4位、11位とグリーンの小さなツアー屈指の難コースでも安定した成績を残す松山はうなずいた。予選ラウンド(R)は世界ランク1位のジェーソン・デー(29)=豪州=、同8位のジャスティン・トーマス(23)=米国=と同組。「2人ともいい成績で今季入ってきている」と松山は引き締めた。
◆霞ケ関CC問題 女性は正会員になれず、日曜日にプレーできないため、小池百合子都知事が1月13日の会見で「この時代に女性が正会員になれないのは違和感がある」と発言。同27日には国際オリンピック委員会(IOC)が「差別を認めないIOCの精神に反している」と大会組織委員会に改善を要請した。霞ケ関CCは2月7日に理事会で規則改正を協議。賛否両論が出て継続審議となった。