◆女子プロゴルフツアー アクサレディス第1日(24日、宮崎・UMKCC)
美人プロの香妻琴乃(24)=サマンサタバサ=が高校時代を過ごした第二の故郷・宮崎で、首位と1打差の4位と好スタートを切った。3年前のスイングに戻したショットが好調で4バーディー、ボギーなしの4アンダー68。家族、恩師、後輩の前で悲願の初Vを狙う。前週2位の渡辺彩香(23)=大東建託=ら3人が5アンダーの67で首位に立った。
アイアンショットが面白いようにピンに絡み、香妻のキュートな笑顔が南国の太陽に映えた。4番で残り158ヤードの第2打を8アイアンで50センチに、13番パー3では5アイアンのティーショットをピン手前2メートルにつけ、着実に4つのバーディーを重ねた。今季10ラウンド中2度目の60台に「全体的な内容も落ち着いている」と胸を張った。
宮崎・日章学園高の3年間を過ごした思い出の地で輝いた。「練習環境もすごく良くて、いろんな方に手助けしてもらった。その時にゴルフがどんどん好きになっていった」と充実した日々を振り返った。平日6時間、週末10時間、ゴルフ漬けの生活を宮崎で送り、プロとして戦い抜く基礎を作り上げた。
14年に賞金ランク19位に入り、ルックスとともに大きな注目を浴びた。しかし、その後は腰痛に悩まされるなど伸び悩み、昨年は同52位とシード落ちの屈辱も味わった。腰をかばうように、スイングからは豪快さも消えていた。3歳でゴルフに導いた父・尚樹さん(53)は「今は腰の不安もなく、振り切るような元のスイングにして、いい頃に戻りつつある」と前週の15位から続く好調さに目を細めた。
この日は地元・鹿児島から駆けつけた祖父母に加え、恩師である同高ゴルフ部の菊池美幸顧問が見守った。後輩たちはボランティアスタッフとして大会を支えている。「家族、後輩の前で優勝を見せたい」。苦しんだ24歳が、初Vで最高の恩返しを目指す。(岩原 正幸)