
横浜市内でのトークショーに参加した男子ゴルフの中嶋常幸
男子プロゴルフツアー通算48勝の中嶋常幸(62)=フリー=が26日、横浜市内のジャパンゴルフフェア会場内で、契約するダンロップスポーツのトークショーに出席。4月6日開幕の海外メジャー今季初戦、マスターズ(米ジョージア州オーガスタナショナルGC)に出場する同社契約の松山英樹(25)=LEXUS=に対し、残り1週間での復調を期待した。
世界ランク4位の松山には、かつてないほど日本人初のメジャー制覇の期待が高まっている。その一方でマスターズ前最後の実戦である今週の世界選手権シリーズ、デル・マッチプレーではショット、パットとも不調で1次リーグ1分け2敗で敗退した。テレビ観戦した中嶋は「調子が落ちてきちゃってるから心配ですね。プロも年間通して、ずっと調子がいいのは続かない。そんなに甘くないのよ。調子が悪くなる時は体が悪くなる、パットが悪くなる、ショットが悪くなると3つのパターンがある。今の松山は3つとも来てるのでやばいの」と松山の状態を心配した。
それでも、自身の経験から残り1週間の調整次第では復調できると力説した。「僕も(86年のマスターズで自己最高の)8位に入った直前の大会はボロボロでした。アイアンショットがメチャクチャ悪くて、チャンスにつかなかった。それを1週間の練習で回復したのを覚えています。だから英樹にも、この1週間が物凄く大事。考え方はしっかりしている子だから、とにかく体を良くしてもらいたい」とエールを送った。
今年のマスターズも現地入りし、TBSの解説を務める。大会の展望については「優勝候補の本命は(世界ランク1位の)ダスティン・ジョンソン(米国)。あとは横一線。松山もこの1週間で復調すれば、その横一線の中に入る。彼には優秀なトレーナーもいるし、大丈夫でしょう」と期待を込めた。
また、トミーアカデミーの教え子で、今年から米女子ツアーに参戦中の畑岡奈紗(18)=森ビル=についても言及。「勝っちゃったもんね、ビックリしたよ。運動能力が高くてスタミナや筋力はあったけど、目立たない感じの普通の子だったのにね」と、昨年10月の日本女子オープンの優勝を振り返った。
1月に米ツアーに参戦後は、メールでよく連絡を取り合っているという。「今朝も4通も届いてた。奈紗が良いのは、言われたことを言われたこと以上に消化して返ってくるところ。賢い子ですよ」とたたえた。今週、上位で終えれば来週の海外メジャー今季初戦、ANAインスピレーション(30日開幕・米カリフォルニア州)でメジャーデビューを果たす。「彼女のツアーは厳しいです。そう簡単に優勝はできない。今年はいくつか優勝争いをしてくれればいいですよ」と優しいまなざしで話した。