山田成美がコースレコード64で首位発進「こんなスコア出るなんて」


10番、ティーショットを放つ山田は、初日8アンダーで単独首位に立った(カメラ・今西 淳)

10番、ティーショットを放つ山田は、初日8アンダーで単独首位に立った(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス第1日(16日、千葉・袖ケ浦CC新袖C=6566ヤード、パー72)

 2014年のプロテストを3度目の挑戦で突破した山田成美(27)=GOLF5=が大会のコースレコードを1打更新する64をマーク。2位に4打差をつけ、ツアーで自身初の首位発進を決めた。約2年半、研修生として下積みも経験した苦労人が、快進撃を狙う。2位に香妻琴乃(25)=サマンサタバサ=、大出瑞月(19)=フリー=ら6選手がつけた。

 27歳の苦労人、山田がしみじみつぶやいた。「こんなスコアが出るなんて。想像もしてなかった」。14年のプロ転向後、ボギーなしでのラウンドが初なら、首位発進はもちろん初。64はコースレコードを1打、自己ベストを5打も更新した。初めての記者会見では「緊張します」と恐縮しきりだった。

 “雑草魂”ではい上がってきた。ゴルフ部のある高校に入れず、ゴルフ部のない兵庫県立の明石北高に進学。ほぼ1人で活動し、試合に初出場したのは高2の夏。「もう少し早く試合に出ていたら…」。愛知・名商大に進学も全国大会では勝てず。卒業後は約2年半、兵庫県内の2つのゴルフ場で研修生として「キャディーもしましたし、ボール拾いもしました」。日が暮れるまでボールを打ったが12、13年とプロテストは不合格。「最後にしようと思った」14年にトップ合格を果たした。

 今季は開幕から9戦連続で予選落ち。今大会までの15戦中、決勝ラウンドに進出したのは2試合だけ。だが前週のサントリーレディスの練習ラウンドで人生初のホールインワンを達成し「ショットの調子は上がっている。自信になった」。この日も3メートル以内に寄せたバーディーが5つ。「目の前の1打に集中したい」。無欲で快進撃を続ける。(高橋 宏磁)

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