◆女子プロゴルフツアー CATレディース 第1日(18日、神奈川・大箱根CC=6704ヤード、パー73)
川岸史果(22)=加賀電子=が5バーディー、2ボギーの3アンダー70で回って首位と2打差の9位。賞金ランク10位のルーキーがツアー初勝利へ好位置につけた。父親の川岸良兼はシニアツアーで好発進。日本ゴルフ史上初の男女両ツアー親子優勝を同時達成で狙う。2年連続賞金女王のイ・ボミ(28)=延田グループ=、黄アルム(29)=フリー=が5アンダーで首位。
新人とは思えなかった。2打差9位の好スタートにも川岸史果は悔しさをにじませた。5、12番ではともに3パットでボギー。ショットを絡めて5バーディーを奪う内容にも「両方とも3パットだったのでもったいない」と真っ先に反省を口にした。
2週前、海外メジャーの全英リコー女子オープンで23位と健闘。初日は94位と出遅れながら巻き返し、最終日は66で回った。帰国後、父には「予選がもったいなかったね」といっそうの成長を求められた。素直にうなずけないのが年頃の娘。「はいはい…って受け流す感じで。(私の)調子がいいから(父は)いじりたいんでしょうけどね」。近くにいる父からは初日のプレー後、食事に誘われたが「焼き肉の気分じゃないし」と返信はしなかった。
ライバルのような親子関係だ。今季の開幕前は「どちらの獲得賞金が多いか、勝負しよう」と誓い合った。今大会前までに娘の賞金が4000万円を突破したため、史果の勝利が決定的。「シニアの賞金では逆転は難しいので、どちらが先に勝つかあらためて勝負することになった」という。
父娘でのツアー優勝はもちろん、同時達成なら史上初の快挙だが、史果は興味がない様子。「お互いに勝ったら、引き分けですもん。もし同時なら、次の2勝目をどちらが勝つか、また勝負しないとね」と負けず嫌いな性格は父親譲りだ。初日のスコアは同じく3アンダー。父にもツアーの強敵にも負けるつもりはない。(高橋 宏磁)