◆女子プロゴルフツアーメジャー第2戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯第1日(7日、岩手・安比高原GC=6640ヤード、パー71)
プロ7年目の工藤遥加(24)=セガサミーホールディングス=が5バーディー、3ボギーの2アンダー69で回り、首位と2打差の暫定5位発進。来季米女子ツアーの出場権をかけた2次予選会(10月19~22日・米フロリダ州)を受験する意向を固めたことを明かした。父でプロ野球・ソフトバンク監督の公康氏(54)も成し得なかった米国挑戦に乗り出す。第1ラウンドは日没サスペンデッドとなり4人がホールアウトできなかった。
フェアウェーの狭い難コースも、より大きなチャレンジを決めた工藤には、たやすく感じたのかもしれない。69をマークし、2打差の暫定5位と好発進。ラウンド中に第1打の球を高くして飛距離を出し、ラフからでもショートアイアンを握るプランが奏功。最終9番では5メートルのバーディーパットを沈め「ストレスのないラウンド」と笑顔だった。
昨年は13位の第3日終了後に、右ろっ骨の肉離れと骨折を併症し、長期のリハビリを強いられた因縁の大会。だが、父に勧められたパワーヨガを実践し、持ち味のパワフルさと頭脳プレーで初日を乗り切った。
米ツアー挑戦への一歩を踏み出す決意を固めた。10月の2次予選会に関し「100%ではないけど、受けようと思う。視野を広く持って、自分の経験を広げていきたい」と明かした。高いレベルで勝負したい気持ちはプロ入りから抱いていた。オフに米アリゾナ州で合宿を行った経験もあり、海外志向は強い。2次予選会で80位タイ以上なら、11月29日から行われる最終予選会(米フロリダ州)に進出、上位20人が来季米ツアー出場権を得る。2次予選通過時点で得られる来季の米下部ツアー参戦にも含みを持たせている。
プロ野球最長記録の実働29年を誇った、224勝左腕の父・公康氏は、現役時代後半に目指していた米トライアウト受験がかなうことなく、2011年12月に左肩の痛みを理由に48歳で引退した。「米国に行けばアプローチやショットでも、もっとうまい人がいる」と娘は父が果たせなかった米挑戦で、さらなる成長に挑むつもりだ。
国内メジャーVなら3年間のシード獲得。「複数年シードを取れれば一番いいですけど、まずは明日の一打一打」とツアー初Vに向け、表情を引き締めた。(岩原 正幸)
◆工藤 遥加(くどう・はるか)1992年11月18日、埼玉・所沢市生まれ。24歳。12歳でゴルフを始め、東京・日出高で本格的に取り組む。2011年プロテスト合格。同年、新人戦加賀電子カップ(ツアー対象外)を制した。ツアー最高成績は14年サントリーレディス5位。14年の賞金ランク53位が自己最高。5人きょうだいで長男は俳優の工藤阿須加(26)。171センチ、65キロ。