最後の藍、エビアン選手権開幕「さみしい」けれど最高のライバルたちに「挑戦したい」


 【エビアン(フランス)13日=高橋宏磁】米女子ツアーの今季メジャー最終戦、エビアン選手権は14日から4日間、エビアンリゾートGCで行われる。世界ランク1位の柳簫然(ユ・ソヨン、27)=韓国=、同2位のレキシー・トンプソン(22)=米国=が12日に公式会見に出席。今大会限りで現役を引退する宮里藍(32)=サントリー=との秘話を披露するなど、別れを惜しんだ。

 12日の公式会見。藍について質問された柳は、堰(せき)を切ったように話し始めた。うつむき、言葉を詰まらせながらも言葉をつなげた。「偉大なゴルファーであり、偉大な人間。藍は私のアイドルスター。私は彼女のようにはなれない」。世界1位、米ツアーで賞金ランク2位の実力者が、賛辞を惜しまなかった。

 藍は11日、世界的な観光地レマン湖のほとりにあるレストランで、柳やヤニ・ツェン(台湾)と一緒に夕食を楽しんだ。柳が希望して実現した。藍は10年、曽は11~13年に世界の頂点に立った経験がある。6月に1位になった柳は、主に精神面で2人に助言を求めてきた。「1位にたどり着いた選手にしか分からないことがある。2人には何度も助けてもらった。昨年、藍が引退すると聞いた時は泣いてしまった」

 同2位で米屈指の飛ばし屋のトンプソンは、藍の人間性にひかれたという。「世界で最も素晴らしい人間。選手としても素晴らしく、成績が悪い時でも笑顔を絶やさなかった。ツアーに関わる全ての人がさみしがっている」と振り返った。

 今大会を中継するWOWOWでは大会前に、曽にインタビューを行った。盟友の引退について聞かれると、泣き崩れたという。トンプソンの言葉通り、多くの選手が別れを惜しんでいる。

 藍は12日の公式会見で、改めて優勝を目指す意気込みを示した。「ツアーの友人と別れるのはさみしい。さみしい気持ちがないと言ったらウソになる。でも、最後のメジャーで挑戦したい気持ちが勝っている」。大会側は12日から発行の公式新聞(合計4枚)に1面と最終面などで合計3枚も藍の写真を使用し、記事を掲載した。米ツアーでも多くの選手や関係者に慕われた藍。最後の雄姿を見せ、結果で応えたい。

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