鈴木愛、3つどもえバトル制し賞金女王だ「奈紗ちゃんが先に入れてきてプレッシャー感じた」


3番、バーディーパットを惜しくも外し悔しがる鈴木愛。通算13アンダーの2位から逆転優勝を狙う(カメラ・矢口 亨)

3番、バーディーパットを惜しくも外し悔しがる鈴木愛。通算13アンダーの2位から逆転優勝を狙う(カメラ・矢口 亨)

 ◆米女子プロゴルフ協会公式戦 TOTOジャパンクラシック第2日(4日、茨城・太平洋C美野里C)

 首位から出た国内賞金ランク2位の鈴木愛(23)=セールスフォース=が1イーグル、5バーディー。今季自己ベストに並ぶ65で通算13アンダーに伸ばし、首位と2打差の2位で最終日を迎える。単独9位以上なら373万円差で追うキム・ハヌル(韓国)と入れ替わる。今季3勝目で日本人4年ぶりの逆転賞金女王を狙う。首位は63のフォン・シャンシャン(中国)が15アンダーで大会連覇に王手。

 深呼吸して心を落ち着かせた。17番パー5。第2打を2メートルにつけた鈴木は、同組の18歳・畑岡が5メートルのイーグルパットを沈めるのを見ていた。「奈紗ちゃんが先に入れてきて、かなりプレッシャーを感じた」。直後のイーグルパットがカップに消えるのを見届け、右手でガッツポーズした。

 ショットの調子が一変した後半だけでスコアを6つ伸ばし、今季自己ベストに並ぶ65で首位と2打差の2位。「かなり手応えをつかめて、いいゴルフができている」。昨年は上位13人中12人を外国勢が占めた大会で、日本のエースがV戦線に踏みとどまった。

 プロ5年目で初の賞金女王争い。「自分を追いつめてしまう」(母・美江さん)性格で、家族はなるべくゴルフの話題を避けている。だが、今季2度目の予選落ちとなった2週前、2歳上の姉・志歩さんが遠征先で気落ちしていた鈴木の部屋をノック。「この試合だけで決まるわけじゃない。元気出して最後まで頑張りいよ」と励ました。6月には最大3140万円あった今週欠場のキム・ハヌルとの差は373万円。単独9位以上で今季初めて逆転し、トップに立つ可能性がある。

 優勝なら憧れの米ツアーの来季出場権を得られるが、賞金女王が優先。「最終日は5アンダー(67)出したい」。13年森田理香子以来の日本人賞金女王誕生が現実味を帯びる中、逆転Vへ、日が落ちて雨が降っても一人パット練習を続けた。(岩原 正幸)

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