宮里優作、闘病父のために絶対に賞金王


1番ティーショットを放つ宮里優作

1番ティーショットを放つ宮里優作

 ◆男子プロゴルフツアー 平和PGM選手権第3日(4日、沖縄・PGMゴルフリゾート)

 賞金ランク2位の宮里優作(37)は、強風の中で75と耐えて通算3オーバー。8月に英国で救急搬送され、帰国後も沖縄県内で入院生活を続けている父・優さん(71)が一時退院して会場で応援。粘りのプレーで23位から16位に順位を上げた。初の賞金王奪取へ最終日の上位進出を狙う。首位は通算7アンダーで宋永漢(26)=新韓銀行=。

 最終18番。約1メートルのバーディーパットを外すと、優作は首をかしげた。瞬間最大17メートルの強風が吹き荒れる中、何度もチャンスをつくったが、75に終わった。「グリーンでは風で(球が)曲がったり、曲がらなかったり。パットが機能しなかった」と肩を落とした。

 コース内には父、優さんの姿があった。沖縄県内の病院に入院中で医師に激しい運動を禁じられている。3日には9月に現役を引退した末っ子の藍さん(32)=写真=が病室を見舞った。体調を案じ、一時退院して応援に出かけることには賛成しなかったという。

 当初は1番の1打目を見守るだけの予定だった優さんは、前半終了まで黙々と歩いた。闘病中の71歳がアップダウンの激しいゴルフ場を歩く。息子は活躍を見せられず「悔しかった」。父は「体は大丈夫。最後にバーディーが取れなかったのは残念」とねぎらった。

 首位とは10打差あるが、賞金ランク1位で6位の小平智とは4打差。小平との賞金差は約138万円で、1打でも差を縮めたい。その先に選手会長として史上初となる賞金王を見据える。ラウンド後、父と握手をかわした優作は「明日に向けて修正できた」と反撃を誓った。(高橋 宏磁)

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