松山英樹、V圏7差を死守 最終18番でバーディー「やっと開幕したな」


 ◆米男子プロゴルフツアー 海外メジャー今季初戦マスターズ 第1日(5日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC、7435ヤード=パー72)

 【オーガスタ(米ジョージア州)5日=榎本友一】米ツアー日本男子最多5勝で7度目の出場となる松山英樹(26)=LEXUS=はグリーン上に苦戦して1バーディー、1ダブルボギーの1オーバー、73の29位で滑り出し。最終18番のバーディーで、初〈73〉29位日のスコアでは大会最大逆転差となる7打差のV圏内に踏みとどまった。初出場の小平智(28)=Admiral=が1アンダー、71で日本勢最高の16位につけた。15年大会王者ジョーダン・スピース(24)=米国=が6アンダー、66で単独首位発進。

 通算23ラウンド(R)目で最も遅い“開幕”だった。最終18番パー4。松山はドライバーで295ヤード飛ばしてフェアウェーの真ん中へ。残り169ヤードからアイアンでピン左上3メートルへ。それを沈め、ゴルフ祭典初のバーディーなしラウンドを回避。「やっときたな、やっと開幕したな」と苦笑い。過去6度で最も苦手としてきたホール(22Rの平均スコア4・41)で値千金のバーディーをもぎ取り、悲願のメジャー制覇への可能性もつなぎ止めた。

 さすが世界ランク6位の対応力だった。開幕前の練習ラウンドでは世界屈指の精度を誇るショットでらしくないミスを連発。「(調子は)最悪です。(ショット、アプローチ、パットも)全部。去年よりも悪い感じ」と漏らしていた。だが、本番ではフェアウェーキープ率は全体1位、パーオン率は19位まで復調。「ティーショットはよかったですけど、(得意のアイアンショットは)求めている半分以下」と言いながら、スコアも順位も昨年大会初日(4オーバー76、54位)を上回ってみせた。

 マスターズカラーの緑色のウェアでコーディネートした初日。4つのパー5での苦戦が響いた。2番は3メートル、8番は2・5メートル、13番は2メートル、15番は9メートルのバーディーパットをことごとく外した。「パッティングという意味ではうまく合わせられなかった」。計32パットと超高速グリーンで、チャンスを生かせず13番では天を仰いだ。続く14番で“落とし穴”にはまった。フェアウェーから8アイアンでの第2打は「中途半端な距離で」と迷いが災いし、グリーン左の観客席へ引っ掛けた。アプローチは20メートルオーバーして3オン3パットで痛恨のダボとなった。

 とはいえ、首位とは7打差発進。過去81回の大会で、初日終了時からの最大逆転Vは90年のニック・ファルド(英国)、05年のタイガー・ウッズ(米国)の7打差だ。「切り替えて明日頑張りたいな、と思います」と松山。初観戦の妻子が見守る前で、上だけを見て懸命のプレーを続ける。

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