◆女子プロゴルフツアー KKT杯バンテリンレディス最終日(15日、熊本空港CC)
首位と4打差の12位からスタートした比嘉真美子(フリー)が難コースを7バーディー、1ボギーの66で回り、通算6アンダーで大逆転優勝を飾った。昨年8月のNEC軽井沢72以来、ツアー通算4勝目。今季“選手会長”を務める24歳が存在感を示した。1打差2位は成田美寿々(25)=オンワードホールディングス=。1打差4位から出た美人プロの三浦桃香(19)=フリー=は79と崩れ、34位に終わった。
1番のチップインバーディーで、大逆転劇が幕を開けた。4打差12位スタートの比嘉はグリーン右10ヤードから58度のウェッジで直接ねじ込み、勢いに乗った。ツアー屈指の難コースで、トーナメントコース記録に1打と迫る66をマーク。11人を“ごぼう抜き”して今季初V、通算4勝目を飾った。
「優勝するためには全てのホールで攻めないといけない。その気持ちが良かった」と勝因を明かした。
今季は選手会長に当たる「プレーヤーズ委員長」に就任。「もっといいツアーにしたい」と話す。今週、その思いはさらに強かった。2年前の大会週に熊本地震が発生し、開催が中止に。「一晩だけですが、車の中で過ごし本当に怖かった。まだ仮設住宅で生活している方々がいると聞いています。私にできることはいいプレーをするだけです」と、神妙な表情で話した。
19歳だった2013年に2勝を挙げたが、15年は大スランプに。プロとしては恥ずかしい80台を連発し、17試合連続で予選落ち。「ゴルフをやめたい」というほど悩んだが、家族の支えで復活し、昨年8月に4年ぶりに優勝。「今季の目標はメジャーを含む3勝」と明言する。24歳にして山も谷も知る比嘉が、充実の時を迎えている。(竹内 達朗)