金谷拓実をアジア頂点へ導いた恩師2人が語る ガースHC「今まで見てきた中で一番気持ちが強い選手」


アジアアマで初優勝し、アマ日本代表のガース・ジョーンズHC(左)と記念撮影する金谷拓実

アジアアマで初優勝し、アマ日本代表のガース・ジョーンズHC(左)と記念撮影する金谷拓実

 ◆男子ゴルフアジア・パシフィックアマチュア選手権 ▽最終日(7日、シンガポール・セントーサGCニュータンジョンC=6847ヤード、パー70)

 雷による約1時間10分の中断を経て、2打差3位で出た、世界アマ2位の金谷拓実(20)=東北福祉大2年=が7バーディー、2ボギーの65で回り、通算13アンダーで逆転優勝。10、11年の松山英樹(当時・東北福祉大)以来となる日本人2人目の快挙を成し遂げた。

 金谷を松山英樹に次ぐ快挙達成へと導いた2人の恩師に聞いた。

 東北福祉大ゴルフ部・阿部靖彦監督「自分でチャンスをつかみ取ったのは大したものですね。金谷は、松山と同じくゴルフに対しては物凄く貪欲な子。『プロになりたいのなら、最初から世界を目指しなさい』と入学当時から言ってきました。松山がアメリカから帰国した時にはよく面倒を見てくれていて、金谷にとってのいいお手本というか、生きた教材になってくれています。松山のように、マスターズに出ることできっと人生が変わると思いますね。松山がアマチュアで11年に初めてマスターズに出た時には、うちのOBの池田勇太が居てくれた。今回は、松山が金谷に色々と教えてくれると思います。逆に言えば、松山にとっても、金谷の存在はいい刺激になると思いますね。今年はウチのゴルフ部は創部30周年の年なので、そういう意味でも節目に明るい話題ができてありがたかったです」

 アマチュア日本代表ヘッドコーチのガース・ジョーンズ氏(15年から金谷に技術面などを指導)「拓実は、とても素晴らしいプレーをした。2打差を追ってのスタートで、伸ばさないといけなかったのも良かったと思う。練習ラウンドでのグリーンの傾斜など、詳細なデータをヤーデージブックにメモしたり、試合への準備の仕方などを教えてきました。金谷も中島も、グリーン上の傾斜を読むのにエイムポイントを取り入れてくれた。練習では65%をショートゲーム、35%をロングゲームに割くように教えてきました。金谷は色んなことを聞いて、学ぶことが出来るアスリート。今まで見てきた中で一番気持ちが強い選手。今大会第2ラウンドまでは非常にいらだっていた。自分に対して期待している基準が高いから、結果伴わなくていらだっていたんだと思う。第2ラウンド後の夜に『イライラした態度をとってしまってごめんなさい。残り2日間は、姿勢や態度をコントロールします』とメッセージが届きました。第1、2ラウンドで優勝が決まる訳じゃない。しっかり最終ラウンドに向けて優勝の可能性がある位置に落ち着かせていくことに集中して、コントロールしていくようにと伝えました。(第2ラウンド終了時で、金谷は6打差の15位だったが)パターが上手で不屈の精神力を持っているので、今回の優勝には驚きはしていません」

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