◆稲森佑貴(4年連続4回目)24歳、フリー=日本オープン優勝
今季の男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、ゴルフ日本シリーズJTカップは29日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCCで行われる。実力日本一を決める本大会には今季のツアー競技優勝者をはじめ賞金ランク上位の総勢30人が出場。今年初優勝を飾った選手にスポットを当て、全8回の連載で紹介する。第1回は10月のメジャー、日本オープン(横浜CC)を制した稲森佑貴。
稲森は日本オープンで唯一4日間60台で回り、最後は豪快なガッツポーズで締めた。最終日はフェアウェーキープ率100%で逃げ切った。「優勝してだいぶ変わった。200件以上祝福メールを頂き、返すのに3時間かかった」。日本シリーズ出場も決め「やっと優勝者の資格で出られる。3度目の正直は無理だったけど、4度目ですね」と喜んだ。
5位と健闘した昨年大会は第2日に名物ホールの18番パー3でチップインバーディーを決め、翌日のスポーツ報知の1面を飾った。「いい思い出になった。今年は日本シリーズで2勝目を挙げて、そう(1面に)なったら最高。『稲森、半端ない』って言われたい」と、鹿児島城西高の先輩でロシアW杯で活躍したサッカー日本代表FW大迫勇也ばりの活躍を誓った。
日本オープン制覇で来年7月、海外メジャー初出場となる全英オープンの権利を得た。10月の世界選手権シリーズ・HSBCチャンピオンズ(中国、18オーバー73位)で“洗礼”を浴びたことも大きかった。「見聞が広がった。あの経験を踏まえ、全英もタフなので頑張りたい」と、新たな目標ができた。
日本オープン覇者が同年の日本シリーズを優勝すれば、1987年の青木功以来5人目(73年ツアー制施行後)。来年2月に予定する故郷・鹿児島での初V祝勝会を「メジャー2冠祝い」に変える。(岩原 正幸)
◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき)1994年10月2日、鹿児島市生まれ。24歳。実家は練習場。鹿児島城西高2年時の2011年、16歳でプロテストに一発合格。14年から毎年シード獲得。15年から3年連続フェアウェーキープ率1位で今季も1位。16年まではキャンピングカーで父と転戦していた。169センチ、68キロ。家族は両親。