◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス第2日(16日、宮崎・フェニックスCC)
56位から出た松山英樹(26)=LEXUS=は4バーディー、2ボギーで4ラウンドぶりのアンダーパーとなる69。一時は予選通過圏外と苦しんだが、15日に誤球で2罰打を受けた14番のバーディーなど後半に復調し、通算1アンダーで33位に浮上した。米ツアー1勝のエミリアノ・グリジョ(26)=アルゼンチン=が8アンダーで首位。
松山が意地のV字回復を見せた。6番のボギーで一時は3オーバー70位に転落。13年のプロ転向後では22戦目で、同年のミズノオープン以来2度目の予選落ち危機を迎え「落ちるんだろうな」と考えた。「せめて予選は通って」と願うファンもいた。
因縁の14番でリベンジした。初日(15日)に同組の星野陸と互いの球を打ち、人生初の誤球で2罰打を科された。初日と同じ左ラフからピン左3メートルに運び、13番に続くバーディーを奪った。星野は第1打をフェアウェーに運び「よし、大丈夫と思った」。2人の球は10ヤード以上離れており、間違えるはずもなかった。
スタート前、1番ティーグラウンドで同組選手同士が球を入念に確認すると、観客からざわめきが起こったが、すぐに悪夢を振り払った。星野は最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(29日開幕、東京よみうりCC)で投入する予定だった自身の名前入りの球を前倒しで投入し、再発防止に努めた。
16番で5メートルのバーディーパットを決め大歓声を浴びた松山は「若干諦めもあったけど、最後うまく伸ばせた」と胸をなで下ろした。約2年ぶりの同組対決となった石川は「英樹の底力。流れが悪くなりかけた時、グッとはい上がり、ズルズルいかないのがすごい」と賛辞を贈った。
「日本でやる時はずっと上でやりたいと思うけど、できない自分がもどかしい。伸ばして上位に行きたい」と松山。フェアウェーキープ率(50%)、パーオン率(約72%)とも初日より上昇し、ショットは復調気配にある。首位との7打差を果敢に追う。(岩原 正幸)