高3のアマ・上野菜々子がV王手「100点満点」


7番で第2打を放つアマチュアの上野菜々子(カメラ・豊田 秀一)

7番で第2打を放つアマチュアの上野菜々子(カメラ・豊田 秀一)

 ◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス第3日(17日、愛媛・エリエールGC松山)

 1打差2位からスタートしたアマチュアの上野菜々子(18)=東海大大阪仰星高3年=が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算13アンダーとして首位に立った。ツアー史上7人目、日本選手としては5人目のアマ優勝を目指す。勝みなみ(20)=明治安田生命=、松田鈴英(れい、20)=ニトリ=、有村智恵(30)=日本HP=も首位に並ぶ。第3日の成績によって最終組は勝、松田、上野で平均年齢19・33歳。3人1組としてはツアー史上最年少の最終日最終組となった。

 シード権がかかった一戦で、多くのプロがミスを恐れ、体をしびれさせながら戦う中、18歳のアマチュアは伸び伸びとプレーした。最難関の16番パー3(190ヤード)。この日のピン位置は右端から6ヤード。ほとんどの選手がグリーンセンターを狙ったが、上野が19度のユーティリティーで放った一打はピン筋へ。カップをかすめる、もう少しでホールインワンのスーパーショットだった。奥3メートル下りのバーディーパットも決められなかったが、果敢なゴルフにギャラリーから大きな歓声が上がった。

 70で回り、2位から首位に浮上。第3日に続き、最終日も最終組で回る。「100点満点なので明日(18日)も何も考えずに楽しくプレーしたいな、と思います」と笑顔で話した。

夢は米ツアー プロツアー8戦目。昨年大会は33位でベストアマに。今年の日本女子アマでは2位に入り、来年高校卒業後はプロを目指す。「将来は賞金女王になって、米ツアーにも行ってみたい」と大きな夢を描いている。

 大きな励みがあった。通学する東海大大阪仰星サッカー部はこの日、選手権大会出場をかけ、府大会の決勝戦。クラスメートの藤川直己主将から前夜「おれたちも頑張るから上野も頑張れ」というLINEが届いたという。PK戦の末、大院大高に惜敗したが、まさに同じ時間帯に戦った仲間の絆は確かに力になった。

 「実は明日(18日)はラグビー部が大阪府決勝なんです。頑張ってほしい」と力を込めた。相手は全国大会優勝5回の強豪、常翔学園。だが、自らの相手はもっと強豪だ。ツアー通算15勝目を狙う有村らトッププロが1打差以内に7人もひしめく。「明日は最初と最後で緊張しそう」。さすがにプレッシャーを覚悟したが、2日連続でともに戦う仲間が心の支えだ。18歳。青春の真っただ中にいる。(竹内 達朗)

 ◆上野 菜々子(うえの・ななこ)2000年7月20日、大阪府生まれ。18歳。7歳の時、石川遼に憧れてゴルフを始める。東海大大阪仰星高2年時の昨年、関西女子アマ優勝。今年の日本女子アマは2位。ドライバー平均飛距離は235ヤード。目標とする選手はジョーダン・スピース(米国)。163センチ、60キロ。

 ◆日本女子プロツアーで優勝したアマ日本人選手 73年トヨトミレディス・清元登子(34)、03年ミヤギテレビ杯ダンロップ・宮里藍(18)、14年KKT杯バンテリンレディス・勝みなみ(15)、16年日本女子オープン※畑岡奈紗(17)の4人。(※は4日間、それ以外は3日間競技。年齢は当時。ツアー制度は88年から施行)

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