◆米女子ゴルフツアー メイヤー・クラシック 最終日(21日、ミシガン州ブライズフィールドCC=6611ヤード、パー72)
首位と5打差の7位で出た山下美夢有(24)=花王=が9バーディー、1ボギーでこの日最少の64をマークし、通算17アンダーで並んだロッティ・ウォード(英国)をプレーオフで下し今季初優勝。大逆転でのツアー通算3勝目は、コーチの父・勝臣さんに贈る涙の「父の日V」だった。シーズン16試合目での日本勢初優勝で、25日開幕のメジャー第3戦、全米女子プロ選手権(ミネソタ州ヘーゼルティン・ナショナルGC)へ弾みをつけた。
1メートル強のウイニングパットを沈めた山下は、右拳を何度も強く握った。プレーオフ1ホール目で決着をつけた。日本に残るコーチの父・勝臣さんの顔がすぐに浮かんだ。「父の日に優勝したいという思いは強くあった。それがプレーにも出てくれた」。2023年のニチレイレディスに続く日米父の日V。表彰式では「こうして優勝を届けることができてよかった」と声を震わせ、涙を浮かべた。
スタートからのバーディーラッシュで5打差を猛追した。1番で4メートルを沈め、5番パー3ではティーショットを50センチにからめた。「ショットも安定し、パットも短いのから長いのも入って、いいラウンドができた」という最終日。一気に首位を捉えて折り返すと、10番で10メートル超をねじ込むなど後半もペースを落とさず、プレーオフに持ち込んだ。
米ツアー挑戦2年目の今季は「なかなか自分らしいプレーができていなかった」。ここまでトップ10に5度入りながら、勝ちきれずにいた。勝臣さんとの映像によるスイングチェックが日課。前夜も話し合い、助言を信じた。「父のビデオチェックがなかったら、優勝につながっていなかったと思う。信頼関係が一番大事。思い切ってプレーができた」と感謝した。
昨季過去最多の7勝を挙げた日本勢に、今季16戦目で初優勝をもたらした。25年AIG全英女子オープンは逃げ切りだったが、昨年11月のメイバンク選手権(マレーシア)も8打差11位からの大逆転。初の米国での勝利で、全米女子プロ選手権でのメジャー2冠へ弾みをつけた。「今シーズンも優勝できたことは自信につながった。スイングもアプローチもだいぶいい状態になってきた。来週のメジャーもいいスタートを切りたい」。手応えを携え、決戦の地へ乗り込む。
▽一問一答は以下の通り
―今の気持ち。
「今シーズンやっと調子が上がってきた中で、優勝につながってくれてよかった。(プレーオフの)最後のパットは緊張した。米国のコースで(初めて)優勝できてうれしい」
―最終日にどんな心構えで臨んだか。
「優勝は本当に考えていなくて、目の前のプレーに集中していた。ショットも安定し、パットも短いのから長いのも入って、いいラウンドができた」
―プレーオフ前の心境は。
「まさかプレーオフになるとは思っていなかった。決まったときは切り替えて、よし頑張ろうと」
―勝因は。
「今週はリズムよくスイングしていたし、自信をもって打てていた。ボギーを打つこともあったけど、うまく切り替えることができて、その分チャンスも増えてくれた」
◆山下 美夢有(やました・みゆう)2001年8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。24歳。5歳から父の影響でゴルフを始める。大阪桐蔭高3年時の19年に全国高校選手権で優勝。同年11月のプロテストに合格し、21年KKT杯バンテリンレディスで日本ツアー初優勝。22、23年は年間5勝で2年連続年間女王に。24年パリ五輪は4位。同年12月の米ツアー予選会をトップ通過し、25年から米国が主戦場。150センチ、52キロ。家族は両親と弟、妹。

