石川遼、日本Sラスト1枠滑り込んだ!ホールアウト直後にライバル崩れ逆転


通算3アンダー40位に終わった石川遼(カメラ・生澤 英里香)

通算3アンダー40位に終わった石川遼(カメラ・生澤 英里香)

 ◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン最終日(25日、高知・Kochi黒潮CC)

 今季から史上最年少で選手会長を務める石川遼(27)=カシオ=が、大逆転で2年ぶり10度目の日本シリーズJTカップ(29日開幕・東京よみうりCC、報知新聞社主催)出場を決めた。70で回り通算3アンダー40位。ホールアウト時点では圏外だったがその後に出場権を争うスンス・ハン(32)=米国=がスコアを落としてギリギリの30番目に滑り込んだ。賞金王争いは今平周吾(26)=フリー=、ショーン・ノリス(36)=JOYX=の2人に絞られた。

 石川が滑り込みで日本シリーズ出場権をつかんだ。40位でホールアウトした時点では31番手で圏外。報道陣から欠場者が出た場合にコースで待機して出場を目指す「ウェイティング」の可能性を聞かれると「もちろん行くと思います」と即答。その直後にハンがスコアを崩し、高知空港へ向かう道中に「持ってる男」の耳に吉報が届いた。その差は、わずか63万8617円だった。

 最終戦への思いは人一倍だ。2007年5月にアマチュアとして15歳の史上最年少で初優勝を果たし、同年に日本シリーズ初出場を果たした。15年には8度目の出場で初めてメジャータイトルを手にした。以前には「あの大会、あの舞台に立つことが、とても意義がある」と語っていたこともある。ツアー唯一、東京で開催され、実家のある埼玉からも通える距離。毎年、家族のほか地元からも多くの応援団が駆けつける。

 今季から選手会長に選出され、ゴルフと並行して全力投球を続けた。自身の発案で、各大会でピンフラッグの販売が始まった。若い選手から「ピンフラッグを持ったギャラリーにサインを求められる」と聞き「一人ひとりにプロ意識が芽生えて良かった」と成果を実感。今大会終了時点で7390枚が売れた。「大変だけど、すごくやりがいがあります」と充実感を口にした。

 多忙だった1年の締めくくりに、2年ぶり10度目の最終戦切符をつかんだ。5季ぶりに日本ツアーに本格参戦した今季は未勝利。このまま終わるわけにはいかない。しんがりからの下克上で、今季初勝利&ツアー15勝目をつかみに行く。(宮下 京香)

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