金谷拓実、松山に続け!日本人アマ2人目の予選通過&ローアマ獲得


オーガスタナショナルGCでの練習ラウンド後に、関係者と握手を交わした金谷拓実(右)(カメラ・榎本 友一)

オーガスタナショナルGCでの練習ラウンド後に、関係者と握手を交わした金谷拓実(右)(カメラ・榎本 友一)

 【オーガスタ7日=榎本友一】昨年10月、男子ゴルフのアジア・パシフィックアマチュア選手権を制した金谷拓実(20)=東北福祉大3年=が、メジャー今季初戦のマスターズ(11日開幕・米ジョージア州オーガスタナショナルGC)に初出場する。大学の先輩・松山英樹以来となる大会史上2人目の日本人アマの出場。巧みなパットやショートゲームを武器に、日本人アマ2人目となる予選通過&ローアマ獲得を目指す20歳が、スポーツ報知に心境を語った。

 夢のマスターズへ、金谷は過去3年のコースの映像を見て研究。5日に現地入り後は、松山らと計2ラウンドを回った。

 「やっぱり難しいですね。去年まではマスターズを見るのがすごく楽しかった。けど、いざ出るとなって攻め方を考えていると、すごい難しいコースなんだな、とすごくわかりますね。今は楽しみですけど、ちょっと怖さもある」

 昨年のアジア・アマで10、11年の松山以来日本人2人目の優勝。その後、飛距離アップを目指したのは“この日”のためだ。

 「マスターズでは飛距離が大事になるので、体力トレを中心にしてきた。ウェートトレと重さの違うバットを振って、筋肉をまんべんなくつけました。飛距離は10ヤードくらいは伸びていると思います」

 15年の日本アマ選手権で大会史上最年少V。同年日本オープン11位で大会史上最年少でローアマを獲得。パット巧者はオーガスタの高速グリーン対策も練った。

 「ロングパットの距離感を合わせる練習をやってきました。アマチュア日本代表のガース・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)がドリル(反復練習)を教えてくださって」

 高校卒業後にプロ転向を志望したが、16年の国内男子ツアー最終予選会を通過できず、東北福祉大へ進んだ。

 「まだまだやるべきことがあったのに、過信していた部分もあった。今は大学に進学して本当に良かったと思っています。世界で活躍する松山さんも身近にいて、いろいろ教えてくださるので。大学4年間はアマチュアでやるつもりでいます」

 今年1月の米ツアー初陣は予選落ち。決勝ラウンドは松山組について歩き、プレーを目に焼き付けた。

 「『調子が悪い』と言っても、試合ではしっかりスコアをまとめてくる。アプローチもうまいし、飛距離も出るし、アイアンも正確だし、全部のレベルが高かった。松山さんを見て、今はそれをイメージして練習している感じです」

 松山が11年に日本人アマでマスターズに初出場した時はテレビで観戦。当時の松山と同じく公式会見が予定されるなど、今大会の金谷への注目度は高い。

 「11年はびっくりしながら見ていましたね。日本人アマの大会通算アンダーパーは松山さんだけですか? 僕も今回、そこを目指したい。予選を通過した上で、ローアマを取れたら」

 父の影響で5歳でゴルフを始めた。

 「父の単身赴任先の秋田で、初めてラウンドしました。小学生の時、父は寝る前にマスターズを見ていた。『いつかは行けたらいいな』と言われたのを今も覚えています。今回、両親も見に来られそうなので、それは良かったです」

思い出ウッズチップイン! マスターズでの思い出の場面と、プレーしたいホールは16番で一致している。

 「思い出は05年大会最終日のタイガー・ウッズのチップイン。パトロン(観客)も16番が一番盛り上がっている感じがしています。練習日に恒例の水切りショットをぜひやってみたいですね」

 ◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。20歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープン11位で大会最年少ローアマ。昨年の日本オープンも2位でローアマを獲得。「生粋のカープ男子」で、丸佳浩外野手の巨人FA移籍に複雑な思いも。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。

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