池田勇太「平成最後なので優勝するしかない」遼会長不在の中、副会長4位好発進


18番グリーンサイドの池に浮かぶボートをバックに、バーディーパットを放つ池田勇太(カメラ・豊田 秀一)

18番グリーンサイドの池に浮かぶボートをバックに、バーディーパットを放つ池田勇太(カメラ・豊田 秀一)

 ◆男子プロゴルフツアー 東建ホームメイトカップ第1日(18日、三重・東建多度CC)

 国内開幕戦は、3年ぶりの大会出場となったツアー通算20勝の池田勇太(33)=フリー=が7バーディー、1ボギーの65で回り、首位と2打差の4位と好スタートした。腰痛で欠場した石川遼選手会長(27)=カシオ=の穴を埋めるべく、副会長としてコース内外で奔走。大会を盛り上げ、平成最後の王座を狙う。貞方章男(39)=アイダ設計=とD・オー(米国)が8アンダーで首位に立った。

 青空のもと、3年ぶりの出場となった池田が気持ち良さそうにプレーした。開始10番で幸先良く10ヤードのチップインバーディーを決めると、15番からは3連続バーディー。池越えの16番では、もう一歩でエースかというナイスショットで1メートル弱につけ、楽々カップに沈めた。「チャンスにつけられたのを、きちっと入れられたおかげでいい内容になった」。今大会の自己ベストに並ぶ65で、首位と2打差の4位。開幕戦初優勝に向けて好発進した。

 これまで挙げた20勝中13勝が9月以降とスロースターターだったが、今年はひと味違う。年明けからハワイやシンガポールなど、海外での試合に積極的に参戦し実戦感覚をキープ。苦戦していた春先の日本の芝について、「枯れた軟らかい感じ。根が軟らかくなって剥げてくる。そうなると俺はチャックリ(アプローチでボールの手前をたたくミス)し放題なんだよね」と明かしたが、15日に納得のいくウェッジが完成したことで攻略に成功した。後半は風もあり、バーディーは1つと伸ばせなかったが「スコアを崩さずに回れたのは良かった」と前向きに捉えた。

 今大会では選手会副会長として“遼不在”の穴を埋めるべく、力を尽くしている。開幕2日前には急きょ選手会ミーティングの議長を務め、前日には選手の「顔」として鏡開きにも参加。その鏡開きでは青木功・日本ゴルフツアー機構会長の「今回が平成最後のチャンピオンになる」という言葉が大きな刺激にもなった。

 平成で歴代4位の20勝を挙げている池田は、プロアマ戦(17日)のスタート前には観客の前で「平成最後の王者になります!」と宣言し、この日も「この試合は重要な意味がある。開幕戦でスタートダッシュも大事だし、平成最後なので優勝するしかない」と闘志を燃やした。今大会で優勝すれば、連続優勝を11年に伸ばし青木、片山晋呉に並ぶ2位に浮上。記録にも、そして記憶にも残る1勝にしてみせる。(筒井 琴美)

最新のカテゴリー記事