◆女子プロゴルフツアー KKT杯バンテリンレディス 第1日(19日、熊本空港CC、賞金総額1億円、優勝1800万円、観衆376)
地元・熊本出身の有村智恵(31)=日本HP=が1イーグル、2バーディー、2ボギーの70で回り、首位と3打差の6位と好スタートを切った。愛する故郷は3年前に大地震で被災。さらに今大会は放映権の帰属問題であわや消滅のピンチにも見舞われた。有村は思い入れの強い地元大会で、昨年7月のサマンサタバサレディース以来のツアー通算15勝目を目指す。酒井美紀(27)=国際スポーツ振興協会=が67で回り、首位。
地元ファンの声援を受けて、有村がスーパーショットを放った。17番パー4。残り137ヤードの第2打を9アイアンでカップに沈めた。「(入ったのは)ギャラリーの大歓声で分かりました」と満面の笑みで話した。値千金のイーグルで首位と3打差6位と好発進を決めた。
2016年4月14日に「熊本地震」が発生。主催者が「例年通り開催されることが、復興への歩みにつながって行く」と開催趣旨を説明する今大会で地元選手が活躍する意味は大きい。「最後の最後まで諦めずにプレーします」と有村はきっぱりと話した。
今大会は放映権の帰属を巡り、当初の日程発表では外れていた。今年に入り、ようやく継続が決定。「ゴルフを始めた時、この大会を見てプロになりたいと思った。夢を見させてもらった場所です」と熱く語る。
昨年大会では1番の第1打を右にOB。スタートでつまずき予選落ちを喫したが、今年はバーディー発進。「去年とは違う、と自分を信じた。とにかく上を目指します」と今大会の初制覇とツアー通算15勝目へ意欲を示した。ホールアウト後、人気ゆるキャラ「くまモン」と記念撮影。その背後の看板には有村の心意気を示すような言葉が記されていた。「熊本は元気だモン」。(竹内 達朗)