身長151センチの大出瑞月、メジャー2番目に低い優勝者へ2位発進


9番、ホールアウトし一ノ瀬優希(手前)と握手を交わす大出瑞月(左)。3アンダーで2位タイにつけた(右は権藤可恋)

9番、ホールアウトし一ノ瀬優希(手前)と握手を交わす大出瑞月(左)。3アンダーで2位タイにつけた(右は権藤可恋)

 ◆ワールドレディスサロンパスカップ第1日(9日、茨城・茨城GC東C)

 ツアー本格参戦3年目の大出瑞月(21)=サーフビバレッジ=が5バーディー、2ボギーの3アンダー69で首位と1打差、自己最高に並ぶ2位発進を果たした。シード選手の中で最小の身長151センチで、メジャーでは2番目に低い優勝者を目指す。

 小さなゴルファーが令和初のメジャーで、大きな存在感を示した。大出は後半1番パー5で第3打のアプローチを1メートルに寄せて流れに乗ると、2、3番で6メートルを沈めて3連続バーディー。「こんなに自信ないのにびっくりするくらい。自分の実力じゃないって感じ」と、目を丸くした。

 昨季初シード獲得も、今季は9戦中6戦で予選落ち。「シード選手って言われて恥ずかしいくらいの成績で(周りに)言わないでくれって思っていた」。この日は風が穏やかでグリーンにスパイク跡がないトップスタートの利点を生かし、17年ニチレイレディス以来の2位発進(最終成績は11位)。「(午後スタートの)2日目はコンディションも変わる」と、ラウンド後も気の緩みは一切なかった。

 身長151センチはシード選手で最小。出場選手中でも浅井咲希、田中瑞希と並び最も低い。今回勝てば、11年日本女子オープンを制した馬場ゆかりの149センチに次ぐ、メジャー2番目の記録となる。

 昨年末、男子の最終戦メジャーの日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催、東京よみうりCC)を観戦し、最小身長(165センチ)賞金王となった今平周吾(26)に刺激を受けた。ラウンドについて歩き、「曲がらないショット、パットのうまさが勉強になった」。体が大きくなくても、正確な技を武器に戦うことができると再確認した。

 シーズン前には勝負に必要な“運”も手に入れた。2月に約3週間、初めて米アリゾナ州で合宿。同じ契約メーカーの男子プロらに小技を習う充実した練習のつかの間のオフ、比嘉真美子らと同州にある「パワースポットの聖地」といわれるセドナを観光した。「赤土の景色がすごかった」。小さな体で吸収した運気が、メジャー初優勝の後押しになるかもしれない。(岩原 正幸)

 ◆大出 瑞月(おおいで・みづき)

 ▼生まれ、サイズ 1997年11月21日、群馬県生まれ。21歳。151センチ、48キロ。家族は両親と姉2人。

 ▼ゴルフ歴 7歳で始める。関東学園大付高出身。16年のプロテストに一発合格。本格参戦2年目の18年、賞金ランク41位(約2698万円)で初シード獲得。

 ▼趣味 ダンス&ボーカルグループ・THE RAMPAGE(ザ・ランページ)の曲を聴くこと。吉野北人(ほくと、22)がお気に入り。

 ▼練習の虫 日が暮れてもパット練習場に残ることがあり、スマホの明かりをつけて練習したことも。

 ◆身長が低い女子ゴルファー

 2011年日本女子オープンを制した馬場ゆかりの149センチがメジャー史上最小。1993年日本女子プロ選手権を勝った原田香里が153センチで同2番目。ツアーメンバーでは今季下部ツアーを主戦場とする枝尾あかねが148センチで最も低い。吉本ひかるが152センチ、青木瀬令奈、大江香織が153センチ。

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