初優勝を喜ぶ（左から）妻・智子さん、浅地洋佑、母・伸子さん
◆男子プロゴルフツアー アジアンツアー共同主管 アジアパシフィックオープンダイヤモンドカップ 最終日（１２日、千葉・総武ＣＣ総武Ｃ＝７３３３ヤード、パー７１）
首位から出た浅地洋佑（２５）＝フリー＝が１バーディー、２ボギーの７２で回り、通算３アンダーで悲願の初優勝を飾った。マンデートーナメントを突破して今大会の出場権を獲得。ツアー史上６人目のマンデートーナメントからの下剋上Ｖを成し遂げた。女手ひとつで育ててくれた母・伸子さん（６４）と昨年８月に結婚した美人妻の智子さん（２５）が１８ホールを歩いて応援。「母の日」に浅地が最高の初優勝を手にした。
最終１８番パーで奥から３メートルの難しい下りパットをねじ込み、浅地が勝った。「本当につらかった。ショットが曲がって、アプローチが寄らず、苦しかった」。それでも、難解なパットを決めまくり、感動の初優勝を成し遂げた。
きょうは母の日。女手ひとつで育ててくれた母・伸子さんに深く感謝した。「どうしようもない息子だった。恩返しができてうれしい」と言葉を奮わせた。小学校時代、帰宅すると、仕事をしていた伸子さんがいない家にランドセルを置いて、ひとりで歩いて練習場に通った。伸子さんは「最高の母の日です。一生分のプレゼントをもらいました。たくさんの人に助けてもらいながら、ここまで来ました。皆さんに感謝します」と目を潤ませながら話した。
新婚の美人妻・智子さんの存在も大きかった。「結婚してから、流れが悪くても頑張らなければ、思うようになった」と浅地は話す。智子さんは「とてもカッコよかった」と満面の笑みで話した。
東京・杉並学院高卒業前にプロになり、ツアー本格参戦した１９歳のシーズンに早くも賞金シードを獲得。「若き天才」と言われたが、その後、低迷。初優勝まで遠かった。「ゴルフをやめてしまおう、と思った時もあった」。苦しい日々を乗り越えて、浅地が愛する２人の女性の前で男になった。
５打差の１５位からスタートしたアマチュアの米沢蓮（１９）＝東北福祉大２年＝も大健闘。５バーディー、２ボギーの６８の猛攻で通算２アンダーまで伸ばし、１打差の２位に食い込んだ。倉本昌弘（１９８０年・中四国オープン）、石川遼（２００７年・マンシングウェアＫＳＢ）、松山英樹（２０１１年・三井住友ＶＩＳＡ太平洋マスターズ）に続くツアー史上（１９７３年の制度施行後）４人目のアマチュア優勝まで、あと１歩に迫り、ギャラリーを沸かせた。