◆男子プロゴルフツアー ミズノオープン(報知新聞社特別協力)最終日(2日、茨城・ザ・ロイヤルGC=8016ヤード、パー72)
池田勇太(33)=フリー=が5バーディー、4ボギー、71で回り、通算7アンダーで逃げ切って今季初優勝。昨年9月以来の通算21勝目で、連続ツアー優勝記録を歴代2位に並ぶ11年(09~19年)に伸ばした。3位タイまでの上位4人がメジャー最終戦、全英オープン(7月、ロイヤル・ポートラッシュGC)の出場権を獲得。池田は5年連続8度目の出場となる。
最終18番、30センチのウィニングパットを沈めた。池田は仲間に祝福の水をかけられ、「寒いけど、我に返った気分。すごくいい気持ち」と喜びに浸った。17番のボギーで同組のC・キム(米国)に1打差に迫られたが、振り切った。
実測7604ヤードで飛距離の優位性は生かせなかったが、硬いグリーンを攻略し、3番から3連続バーディーと波に乗った。4番は奥のカラーから5メートルをねじ込み、声援にドヤ顔で応えた。3週前に投入した“ジャンボパター”がさえた。今季パットに悩んでいた池田は4月、先輩の正岡竜二(36)から「L字パターを使ってみたら」とアドバイスされた。これをきっかけに、以前購入していた自らのコレクションから一本のパターを引っ張り出した。
25年前(94年)、尊敬する尾崎将司のプロ90勝記念にブリヂストンが発売した一本だ。「Js(ジェーズ)」というブランドで、「Jumbo」と刻印がある。「記念パターは全部持っている。コレクションとして持っていたかった」と語るが、長さ、重さを「リメイクして」使った。この4日間の平均パットは全体3位(1・6977)と最高の相棒となり「今はエースパター」と絶賛した。
09年日本プロでの初優勝から11年連続で勝利を重ねて歴代2位に並び、尾崎将の最多15年の記録に続いた。「ジャンボさんの記録を目指してやらないといけない」。偉大な存在の背中を追い、さらなる活躍を誓った。
5年連続8度目の全英オープン切符を手にした。今季はマスターズ、全米プロに出られず、6月の全米オープンの出場権もない。「今年はメジャーに出られないのでは、とさみしさもあったが、取ることができてハッピー。海外挑戦の気持ちは昔と変わらない。大暴れできるように準備したい」と表情を引き締めた。
永久シード(25勝)まではあと4勝。「今日がそうだったように、勝てる自分をつくりたい」。現状に満足することなく、勝利を積み重ねる。(岩原 正幸)