2日に閉幕した国内男子プロゴルフツアーのミズノオープン(茨城・ザ・ロイヤルGC)で、昨季賞金王の今平周吾(26)=フリー=は今季6戦で3度目のトップ10となる9位で終えた。
総距離8016ヤード(うち3日間は実測7600ヤード台)のロングコースで行われ、「距離的には海外に近く、メジャーに向けていい機会」と捉えていた。普段はバッグに2本入れている60度ウェッジを一本抜いて、3ウッドを投入するなど対策を講じた。2日目に67をマークして首位に立ったが、決勝ラウンドで77、74とスコアを崩し、最終日の後は「後半にショットが乱れた。グリーンも硬くて難しかった。来週に向けて頑張ります」と気持ちを切り替えた。
海外メジャーにはこれまで5度出場しているが、今季のマスターズ(4月)、全米プロ(5月)を含め全て予選落ちしている。出場権を持つ6月の全米オープン(13~16日、カリフォルニア州ペブルビーチGL)、7月の全英オープン(18~21日、ロイヤル・ポートラッシュGC)を間近に控え、4か月連続で日本と海外を往復しながら戦いを続けている。
今平はメジャーについて「行くたびにいろいろと経験して足りないところ、課題が見える。それらを日本に戻ってから一つ一つ消していきたい。初めのうちは予選通過できなくて、『(向こうの選手は)身長でかいし…』とか思っていたけど、何度か行くと自分と同じような飛距離の選手もいて、『戦えるのかな』と思った」と語っている。それらの選手と自分自身との違いを「思い切りの良さやショートゲームの精度」と分析し、日々成長を目指している。
昨年、歴代選手の中で最小の身長165センチで賞金王となり、現在のドライバーの飛距離は約290ヤード。4月のマスターズ後に「来年までに飛距離を10ヤード伸ばしたい」と目標を掲げた。肉類を中心とした食事とトレーニングでパワーアップに取り組み、5月の全米プロ前には「マスターズ後から体重は約2キロ増えている」と明かした。「ウェアも去年よりサイズが大きくなっている」。2月のグアム合宿で体を追い込んだ成果が出ているようだ。
一方で、2日間で戦いを終えた全米プロの試合後は「海外でずっとプレーしていて、その流れでメジャーに出たらまた違うかもしれないけど。日本でプレーしながら海外に来て、すぐにコースに順応するのは難しい」とも語り、スポット参戦の大変さも実感していた。
増量や飛距離アップに時間がかかることは本人も分かっている。ただ、今ある「差」を埋めようと悔しさを糧に、前を向いて進んでいることは確かである。「メジャーで4日間戦いたい」。予選通過、上位、優勝争いと小さなゴルファーが一歩一歩、進化していく姿を日本のゴルフファンは楽しみにしている。
(岩原 正幸)