堀川未来夢、完全&初V王手 17番イーグル「まさか」


17番でイーグルを奪った堀川未来夢(右)は清水キャディーと笑顔で次のホールへ向かった(カメラ・生澤 英里香)

17番でイーグルを奪った堀川未来夢(右)は清水キャディーと笑顔で次のホールへ向かった(カメラ・生澤 英里香)

 ◆男子プロゴルフツアー メジャー第1戦 日本ツアー選手権 森ビル杯第3日(8日、茨城・宍戸ヒルズCC)

 第2ラウンド(R)残りと第3Rが行われた。ツアー初優勝を狙う堀川未来夢(みくむ、26)=Wave Energy=は第2Rの残り6ホールで1つ伸ばして67、第3Rを1イーグル、3バーディー、2ボギーの68で通算12アンダー。歴代最多(非公式)の男女ツアー37勝を誇る清水重憲キャディー(44)の好マネジメントに導かれ、2位に3打差をつけて完全優勝に王手をかけた。

 193ヤード先のピンに向かって、堀川が叫んだ。「つけ!」。3日間の平均スコア4・544で最も難しい17番パー4だ。フェアウェーから6アイアンで放った打球は1メートル手前でワンバウンドしてカップに消えた。15年大会2RのK・T・ゴン(韓国)以来の同ホールのイーグル。「まさか入るとは」。驚きの表情のまま両手を上げた。

 15番パー5ではドライバーショットを左に曲げて、隣のホールに打ち込んだ。前方には林がある。「越えるショットを打ちたい」と主張した堀川に対し、「木に当てたらダブルボギーもある」と制したのが清水キャディーだった。安全策で真横のフェアウェーに出してボギーでしのぎ、流れを切らさなかった。

 15、16年にイ・ボミ(韓国)の賞金女王獲得に貢献した清水氏とは、2年前の今大会で初コンビを組み、今季4戦目。未勝利の26歳は「ノリさんのおかげ」と感謝した。百戦錬磨の清水氏は「17番イーグル、18番パーは、1~6番で4つか5つ伸ばしたのに匹敵する」とうなずいた。

 この日は24ホールの長丁場を乗り切った。第2R未消化分の6ホールは同組の尾崎将司、崔虎星(韓国)がすでに棄権し、異例の1人でのラウンドだった。「プロでは初めて」の経験だったが「とにかく、ゆっくり回ろう」と2人で話した。第3Rスタートまではコース内のロッジで約2時間半の仮眠を取って備えた。笑顔でプレーしたのも「警戒心が強い面があるので、あまり関係ない話をして楽しくやろう」(清水氏)という理由だ。

 最終日最終組は自身5度目。3打リードで迎える堀川は「目標は3アンダー(69)」と頂点を見据えた。今大会は過去19回中、8人の初優勝者が誕生している。国内メジャー王者の称号を手に入れ、初メジャーとなる次週の全米オープンに乗り込む。(岩原 正幸)

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