◆女子プロゴルフ ステップアップツアー ユピテル静岡新聞SBSレディース 最終日(23日、静岡・静岡CC浜岡C=6424ヤード、パー72)
1打差3位で出たレギュラーツアー1勝の美人プロ・藤田光里(24)=レオパレスリゾートグアム=が7バーディー、1ボギーの66をマーク。通算13アンダーの逆転でステップアップツアー初優勝を飾った。
ステップアップツアーでは初の最終日最終組。2番でボギー先行も、粘り強いプレーを見せた。その後に7バーディーを重ね、目まぐるしく首位の入れ替わった大混戦を制した。16番パー5でバーディーを奪い、単独首位に立って逃げ切った。2016年12月、コーチで3歳でゴルフに導いてくれた父・孝幸さん(享年63)が急死後、初めての優勝となった。
13年のプロテストに合格し、同年の新人戦で優勝。北海道出身の色白スレンダー美女は、瞬く間にツアー屈指の人気選手となった。抜群のショット力を武器に、14年から16年まで賞金シードを獲得。ところが、左ひじ痛を発症し17、18年は賞金シードを失った。
昨年1月、左ひじを手術。今オフからは、飛距離を取り戻すべく本格的なトレーニングに着手した。肩甲骨や下半身の可動域を広げ、ショット力を取り戻してきた。今年4月のレギュラーツアー、フジサンケイレディスクラシックで5位。下部のステップアップツアーでも4戦で2度のトップ10入りと復調気配を見せていた。
最近は6週連続の試合出場で風邪をこじらせ、前週までは高熱や両耳の中耳炎などの体調不良に陥っていた。それが今大会前、「ようやく治りました」と明るい笑顔で話していた。「(今季初本格参戦した)ステップアップツアーは、初めての大会やコースが多くて楽しいです。ワクワク感があって。知らないコースが多くて、自分の本来の低姿勢で謙虚なゴルフを思い出しています。それが今の粘り強いゴルフにつながっているのかもしれませんね」と、今季前半戦のプレーぶりを自己分析していた。
レギュラーツアーは、15年4月のフジサンケイレディスクラシックで初優勝。その時も静岡開催の大会で、今回と同じ最終日逆転Vだった。実は「小学6年の時に、初めて北海道以外で試合に出場したのが静岡・東名CC」。その大会は、プレーオフで1学年下の鬼頭桜に敗れて準優勝。「今も静岡へ行くたびに、その時の悔しさを思い出します」。新元号となった令和元年。いくつもの苦難を乗り越え、最愛の父との思い出の詰まった静岡で、完全復活へ向けた大きな一歩を記した。