宮里美香、今季最高の2位で来季国内初シード…引退危機乗り越えた


3番ティーショットを放つ宮里美香。通算12アンダーで2位に入った

3番ティーショットを放つ宮里美香。通算12アンダーで2位に入った

 ◆女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ最終日(30日、千葉・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72)

 今季から主戦場を国内に移した日米通算3勝の宮里美香(29)=NTTぷらら=が1イーグル、4バーディー、3ボギーの69で回り、通算12アンダーで今季自己ベストの2位。今季賞金約2848万円で来季の日本初シードを確実にし、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の正会員入りを事実上決めた。申ジエ(31)=韓国=が15アンダーで優勝。今大会終了までの賞金ランク上位5人が8月のメジャー、AIG全英女子オープン出場権を得た。

 宮里はベストスコアの69をマークし、安どの表情を見せた。台風並みの最大瞬間風速20・7メートルの強風が吹き荒れ、帽子が飛ばされそうになる悪条件で「この風の中、いいゴルフができて自信になる」。世界最高峰の米ツアーで10年戦った経験を生かした。

 賞金総額2億円とツアー最多に並ぶ高額賞金大会で今季最高の2位。1580万円を加え、目安となる約2300万円の賞金シードラインを超えた。同時にLPGA正会員入りをほぼ手中にし「なります」と明言。過去2度の国内メジャー日本女子オープン(10、13年)優勝後も会員資格を得る機会はあった。しかし「保険を掛けない。こっち(国内)があると思うと米国ではできない」(関係者)と、入会手続きを見送っていた。

 22歳だった2012年にはセーフウェークラシックで日本人最年少(当時)の米ツアー優勝。だが17年のシーズン中に2か月以上の休養を挟み、同年にシードを喪失。同関係者は「気持ちが入らない中で苦しんでいた。言葉にはしなくても、辞めちゃうくらいまで考えたと思う」と“引退危機”を振り返った。

 悩んだ末に17年末の米予選会を受験。18年途中まで戦ったが、昨夏には「また違うチャレンジをしよう思う。日本ツアーでやってみたい」と、主戦場を日本に移すことを決断した。昨秋の2次予選会から突破して迎えた今季、沖縄・興南高の後輩、新垣比菜(20)らと遠征先で食事に出かけるなど、充実したツアー生活を過ごしている。「シードは最低条件だと思うので、勝つことにこだわりたい」。思い切って戦える後半戦での6年ぶりVに照準を合わせた。(岩原 正幸)

 ◆宮里 美香(みやざと・みか)1989年10月10日、沖縄・那覇市生まれ。29歳。8歳からゴルフを始め、04年日本女子アマを史上最年少の14歳8か月で制覇。日本ジュニア(04、06、07年)、世界ジュニア(06年)優勝。興南高卒業後、08年12月に米ツアー最終予選会を通過してプロ転向し、09年から本格参戦。12年に米1勝。日本では日本女子オープン2勝。160センチ。

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