泣き虫だった渋野日向子…母・伸子さん「シブコ・スマイル」の原点語る


 ◆米女子プロゴルフツアーメジャー第5戦AIG全英女子オープン最終日(4日、ウォバーンGC=6756ヤード、パー72)

 42年ぶり2人目のメジャー優勝の快挙を達成した渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は、トレードマークの笑顔で海外メディアからの人気も爆発した。小さい頃の泣き虫から一転、“シブコ・スマイル”の誕生秘話を母・伸子さん(51)が語った。

 渋野はジュニア時代、ゴルフやソフトボールの試合で負けるたびによく泣いていたと伸子さんは振り返る。

 「昔は試合で負けたときに、悔しさでよく泣くこともありました。そのたび、私や父親からも『笑顔で、笑顔で』と言っていました」

 妹・暉璃子(きりこ)さんと打ちっ放しに通った岡山・長船CCのロビーには、墨でしたためられた「笑顔」の文字が掲げられている。支配人の勧めで、書道が得意な渋野自身が笑うことを忘れないように書いたものだ。

 「小さい頃は、できないことで物に当たってしまうこともあった。でもそのたびに指導してくださる周りの人たちが教えてくださった。本当に感謝しきれません」

 壁にぶつかった時期もあったが、今季から笑顔が目立つようになったという。

 「成績が出せるようになってきて自信がついたのだと思います。自分をコントロールできるようになったように見えますね。笑顔でいることがスコアにつながると気づいたんだと思う。人それぞれだと思いますが、日向子は笑うことでリラックスできるのかな」

 小学生時代に所属していた少年団のソフトボール部には今でも時間があると顔を出し、低学年と一緒に走り、うれしそうにしている。「日向子は昔から子供が好き。テレビ中継で見ていましたが、全英オープンもボギーを打った直後、ふっと顔を上げたら子供と目が合って笑っているシーンも何度かありました」。

 一躍有名となった駄菓子も笑顔の源だ。

 「小学校低学年の頃、たまに坪井商店という有名な駄菓子屋に3姉妹を連れて行った。日向子はカリカリ梅や辛い系が好き。今大会もお菓子が足りなくなって、後の便で行った人に追加を届けてもらっていました」

 次は東京五輪が目標だ。

 「ここ(全英OP制覇)は一つの通過点。20年東京五輪は『(出場権を)つかめるなら、つかみたい』と言っている。一つ一つの目標に向かっていってほしい」。伸子さんは、笑顔で夢の舞台に立つ娘の姿を楽しみにしている。(宮下 京香)

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