渋野日向子、8戦ぶり60台1ケタ発進…名前入りタオル完売“シブコ・フィーバー”に沸く


ギャラリーを連れて笑顔で18番ホールに向かう渋野。初日5アンダー7位の好スタートを切った(カメラ・頓所 美代子)

ギャラリーを連れて笑顔で18番ホールに向かう渋野。初日5アンダー7位の好スタートを切った(カメラ・頓所 美代子)

 ◆女子プロゴルフツアー NEC軽井沢72第1日(16日、長野・軽井沢72G北C=6705ヤード、パー72)

 2週前のAIG全英女子オープンで日本女子2人目のメジャー制覇を果たした渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は6バーディー、1ボギーで、国内で初日ベストスコアに並ぶ67で5アンダー、首位と3打差7位と好発進した。初日としては、同コース開催22年目で大会史上2番目&今季2番目に多い5577人の観客が来場。新発売の名前入りタオルが約1時間で完売するなど、今大会も続く“シブコ・フィーバー”に沸いた。64の浜田茉優(23)=伊藤園=が首位。

 夏休みの軽井沢が“シブコ・フィーバー”で盛り上がった。1組前にイ・ボミ(韓国)、1組後ろには原英莉花(20)と人気選手が回る中、渋野組について歩くギャラリーの数は突出していた。常に約500人が取り囲み、ホール間移動では関係者がしっかりと“シンデレラ”をガードした。

 プレーでも、初日では今季2番目に多い5577人の観客を存分に楽しませた。1番のチップインバーディーで波に乗ると連続バーディー。ボギー直後の9番パー5は3打目のアプローチを1メートルにピタリとつけ、小技で魅了した。後半も2つ伸ばし67。国内の連続イーブンパー以上のラウンド(R)を歴代6位の22Rに伸ばした。「優勝を狙うにはこのくらいスコアを出したかった。初日にしてはしっかりできた」とうなずいた。

 今大会から会場で発売された「渋野日向子バージョン」の名前入りタオルは午前6時の開門から約1時間でこの日の分100本が完売した。34選手中唯一の完売に「そんなに売れたんですか。ありがたい」と感謝。タオルを掲げて応援するファンの姿も見られた。

 ラウンド後半は、中継局がテレビカメラ3台、クルー8人と異例の態勢で渋野を追った。「(注目されることは)何も思わない。結果は左右されていない」と平然。同組の松田鈴英(21)からは「あんなに見られているのに堂々としていてさすが」と絶賛された。

 途中で松田に「『タラタラしてんじゃね~よ』ちょうだい」と、全英で試合中に食べて話題となったお菓子をおねだりされる場面もあった。渋野は「あれだけ話題になっていると食べにくい(笑い)」と返した。

 全英から3連戦目となる今大会で初日から底力を発揮した。国内での初日60台&1ケタ順位発進は8試合ぶり。「この試合は例年(スコアの)伸ばし合いになるので、2日目もしっかり伸ばせたら」。スタートダッシュ成功にも、周囲の過熱ぶりにも舞い上がることなく、冷静に語った。(岩原 正幸)

 ◆シブコに聞く

 ―体の状態は。

 「大丈夫だけど、夜中にせきをして目が覚めることが多い。今朝は午前3時くらいから1時間寝られなかった」

 ―パー5で4ホール全部バーディー。

 「それはいつも思っている。パー5で4個バーディーを取って、あとノーボギーで回れば4アンダーなので、それがベストなゴルフかと思う」

 ―松田選手と駄菓子『タラタラ―』についてのやり取りが。

 「あれだけ(報道で)取り上げられると食べづらいじゃないですか(笑い)。リュックに入っているが、コースの中には持っていってない」

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