◆男子プロゴルフツアー フジサンケイクラシック最終日(8日、山梨・富士桜CC)
9打差12位から出た石川遼(27)=カシオ=は7バーディー、ボギーなしでベストスコアタイの64をマーク。自身の今季&大会最少スコアとなった。通算11アンダーで4打差5位と猛チャージ。過去2勝(2009、10年)、2位1回(16年)と得意の富士桜で今季賞金ランク1位の力を示した。65の朴相賢(36)=韓国=が15アンダーで逆転し通算2勝目を挙げた。
3年ぶり出場で、多くのギャラリーを引き連れた石川がバーディーを量産した。17番で7個目のバーディーを取った時点でトップと2打差になった。18番でパーオンを逃し、スコアボードを見ると優勝した朴と3打差がついており「もう(優勝は)ないな」と悔しがったが、表情は明るかった。
9打差から出て、3日間ボギーだった1番で5メートルの好機を仕留めると、3、6番も伸ばした。14、15番で連続バーディー。最後まで優勝を目指した末に4打差5位と及ばなかったが、「(18番パーパットは)気持ちを切り替えて打つことができた」と2メートルを沈め、自らに拍手を送った。
この日の平均飛距離は341・5ヤードで全体2位。フェアウェー(FW)キープ率も76・92%(5位)と高水準のショットに、全選手最少22パットと小技がかみ合った。64は今季最少スコア。今大会でも、優勝した09年2Rの65を更新した。2日のマンデートーナメント(主催者推薦選考会)で敗れ、本戦出場を逃した弟・航さん(19)が応援する前で実力を発揮した。
「ドライバーショットを(大会中に)修正できたことが大きい」と胸を張った。シーズン毎のデータでも、前年のFWキープ率44・50%(96位)から、2勝の今季は同59・54%(28位)と大幅に改善。「今までは『林に行かないように』だったのが、今は『ラフに行くのをFWに入れるように』となった。本当に何も変えてないくらいの(わずかな)修正レベル」。曲がり幅が小さくなり、手応えを口にした。
次週は、北海道胆振東部地震の影響で昨年中止となったANAオープンに臨む。「いいプレーをしたいけど、大会が無事開催されて成功に終わるように願っている」と、自身4年ぶり大会制覇を冷静に見据えた。(岩原 正幸)