
18番、イーグルパットを決めてガッツポーズする石川
◆男子プロゴルフツアー パナソニックオープン第2日(27日、兵庫・東広野GC)
初日73位で今季初の予選落ち危機を迎えていた石川遼(28)=カシオ=は1イーグル、8バーディー、1ボギーの62で、通算8アンダーで1打差2位に急浮上した。コースレコードに並ぶスコアで今季自己ベストを2打更新。最終18番パー5のイーグルなどで、今季3勝目に向け好位置で決勝ラウンドに進んだ。昨年覇者のラヒル・ガンジー(インド)が9アンダーで単独首位。
一日でスコアを72から62と10打縮める圧巻のゴルフだった。石川は1番、第2打を5アイアンで1メートルにつけてバーディー発進すると、前半を31。イーグルは逃したが、12番パー5は残り242ヤードの第2打を3アイアンでピン2メートルへ。7つ伸ばして迎えた18番は226ヤードから4アイアンで1メートル強に2オンさせ、イーグルパットを沈めて右拳を握った。
「久しぶりというか初めてくらい、いいアイアンショットが続けて打てた」と、62の猛チャージに声を弾ませた。1月、シンガポールオープンで17年マスターズ覇者のガルシア(スペイン)と2日間同組で回った。「自分は200ヤードからピン5メートルでナイスショットと思っていたけど、ガルシアは半分(2~3メートル)につける。衝撃を受けた。そこに向き合い伸ばしていこう」。狙いが狭くなり難易度も上がるが「(アイアンが)好きだからこそ伸ばしたい」と精度を磨いた成果が出た。
初日(26日)は左右に曲がるドッグレッグのホールに苦しみ、1オーバーで予選通過圏外の73位。「(同組)3人で自分だけ消えていた。モヤモヤした」と表現した気持ちを「自分と向き合う」ことで解消した。「帰りの車でも常に考えている。ジュニアの頃からやっている一打一打の振り返りです。スイングのミスは頭の中から生まれる。何でそういうスイングになったのか」。最後は部屋で、気づいたことをノートに記す。昨年から行う習慣で、気持ちを整理し迷いが消えた。
1打差2位と一気に優勝争いに浮上。「楽しみですね。まさかというか。結局は自分のゴルフを信じてやらないと」。今季3勝目へ攻めのプレーを続ける。(岩原 正幸)