メジャーの奈紗、最年少4勝半世紀ぶりに更新…目標は東京五輪「金メダル」


日本女子オープンで3度目の優勝を果たし、トロフィーにキスをする畑岡奈紗(カメラ・豊田 秀一)

日本女子オープンで3度目の優勝を果たし、トロフィーにキスをする畑岡奈紗(カメラ・豊田 秀一)

 ◆女子プロゴルフツアー 今季メジャー第3戦・日本女子オープン最終日(6日、三重・白山ヴィレッジGCクイーンC=6479ヤード、パー72)

 首位タイから出た畑岡奈紗(20)=森ビル=が6バーディー、3ボギーで、全選手唯一の4日間60台となる69。通算18アンダーで2位に4打差をつけて、20歳266日の最年少メジャー4勝目。1969年大会で達成した樋口久子の24歳31日の記録を50年ぶりに塗り替えた。国内メジャーは6戦して4勝(アマ1勝含む)。金メダルを目指す来夏の東京五輪に弾みをつけた。

 とにかく強い、と誰もが思った。畑岡が大会歴代2位の累計4万7436人(練習日含む)が見守った中、2位に4打差をつけて圧勝した。15番で1組前の岡山に1打差に迫られ「緊張した」が、18番は6メートルのバーディーを沈め「やっと終わった」と安どの表情。これでメジャーは6戦4勝の高勝率となった。

 3連覇を狙った前年は3打差2位で敗れたが、前年覇者の柳簫然(韓国、2位)からチャンピオンブレザーを2年ぶりに奪回。昨年は表彰式で着せる立場だったが、今回は柳から袖を通してもらい、「取り返した感じ」と笑顔でうなずいた。

 大会前から最終日は「本人が好きな色」(母・博美さん)の赤のウェアでと決めていた。上が赤、下が白のコンビは16年にアマで今大会を勝った時と同じ。「初心に戻る意識があった。勝ちたい気持ちが強すぎても空回りする」。強風の影響で3、4番で連続ボギーを喫しても平常心だった。

 8番で取り返し、9番は57ヤードの第2打を30センチへ運ぶ連続バーディー。第3日後、80ヤード以内をキャディーのグレッグ・ジョンストン氏(54)=米国=と特訓した。50ヤード前に立つキャディーを的に山なりのショットを放ち、10ヤード刻みで後方に下がってもらう。同氏が打球を帽子でキャッチするユニークな練習で、居残ったファンを盛り上げ距離感を合わせた。3週前のメジャーでも同様の姿が見られ、「今まであれくらいの距離が苦手だったので練習して」克服した。

 1969年大会で達成した樋口久子の24歳31日のメジャー4勝目の最年少記録を半世紀ぶりに更新。女子プロ選手権、日本女子オープンの同一年制覇も77年以来42年ぶりだ。「うれしい気持ちはある」。世界ランク6位で東京五輪出場の日本勢1番手は「一生に一度(の自国開催)なので悔いなくできれば。(目標は)金メダル」と力を込めた。(岩原 正幸)

 ◆畑岡が達成した主な記録

 ▽最年少メジャー4勝 20歳266日。1969年大会で達成した樋口久子の24歳31日を更新

 ▽日本女子プロ選手権と日本女子オープンの同一年制覇 樋口久子の7度(68、69、70、71、74、76、77年)に次ぐ2人目(88年のツアー制施行後では初)

 ▽大会3勝 樋口の8勝に次ぐ2位タイ

 ▽メジャー連勝 昨年の日本女子プロ選手権で達成した申ジエ(韓国)以来10人目(ツアー制施行後、年度またぎを含む)

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