【今田竜二のPoint】ウッズ、全盛期と同じアイアンのキレとパット


18番でウィニングパットを決めたウッズ

18番でウィニングパットを決めたウッズ

 ◆米男子プロゴルフツアー ZOZOチャンピオンシップ 最終日(28日、千葉・習志野CC=7041ヤード、パー70)

 全盛期のタイガーは第1打で同組の選手を20~30ヤード、時には50ヤードも引き離していたが、今では第2打を最初に打つこともある。しかし、アイアンのキレは全盛期と全く変わらない。縦の距離感のコントロールが抜群だから多くのバーディーチャンスをつくることができる。

 そして、経験を積んだことでマネジメント能力は上がっている。第1打をラフに曲げてフライヤーするか、しないか、分からない時は必ず手前から攻める。フライヤーしなかった時はグリーン手前の易しいアプローチ、あるいは上りのパットが残る。フライヤーした時はピンに寄る。奥からの難しいアプローチやパットを徹底的に避けた。

 パットは相変わらず、うまい。どこからでも入れてくるし、必ず寄せる。今大会、計20ホールのパー3で9バーディーでボギーなし。19アンダーのうち9アンダーをパー3で稼いだ。アイアンとパットで勝ったことを証明する数字だ。

 今、メンタルも充実している。力が入っていたり、緊張している様子は一切、なかった。タイガーが負ける、と感じた場面は一度もなかった。ライバルの選手たちもタイガーの強さと安定感を肌で感じたと思う。

 来年の東京五輪でも期待できる。会場の霞ケ関CCは知らないだろうが、経験豊富なタイガーであれば1、2回練習ラウンドすれば十分。どこに打てばいいのか、いけないのか、すぐに分かるはず。今回も1週間で習志野CCを攻略した。

 1歳年上のタイガーは10代の頃から知っている。当時からカリスマ性があった。プロでも一度はマネしたくなる選手だ。今後、故障だけに気をつけてツアー通算100勝、メジャー18勝を目指してほしい。タイガーならできる。そう、信じています。(08年米ツアー1勝、プロゴルファー)

最新のカテゴリー記事