渋野日向子「キヨキヨ」石川遼との“共演”で逆転女王へ視界“遼”好


テレビマッチの収録で、アプローチショットを放つ渋野日向子(右端、左から勝みなみ、石川遼、キャメロン・チャンプ、古閑美保さん=カメラ・馬場 秀則)

テレビマッチの収録で、アプローチショットを放つ渋野日向子(右端、左から勝みなみ、石川遼、キャメロン・チャンプ、古閑美保さん=カメラ・馬場 秀則)

 女子プロゴルフで、前週の大王製紙エリエールレディスを制した渋野日向子(21)=RSK山陽放送=は今週、逆転での最年少賞金女王がかかる最終戦ツアー選手権リコーカップ(28日開幕)を迎える。劇的Vから一夜明けた25日は、宮崎市内のトム・ワトソンGCで行われたテレビ番組の収録に参加。08年賞金女王の古閑美保さん(37)、石川遼(28)=カシオ=と“共演”し、初の賞金女王に向けパワーを受け取った。

 涙のVから一夜明けたばかりの渋野。だが、「寝たら切り替えないと。ケアやトレーニングをして。(エースキャディーの定由)早織さんも、もういつも通りです」と、既に逆転女王のかかる一戦に目を向けていた。

 2週前は日米両ツアーで28戦ぶりとなる予選落ち。「賞金女王を考えすぎていた」と反省し、自然体で臨んだ大会で優勝につなげた。逆転賞金女王に向け、最終戦の最低条件は単独2位以上と厳しい戦いが待つが、この日も「考えて結果を出せば一番強いけど、なるべく考えない。自分のプレーをすれば結果はついてくる」と引き続き無欲を強調した。

 24日は優勝後、飛行機に乗り遅れ、松山市から車、フェリーのバタバタ移動でテレビマッチ収録がある宮崎市に入った。「(夕飯は)フェリー乗り場で、姉たちと海を見ながらカップ麺のきつねうどん」。就寝は26時半。睡眠3時間半の「寝不足」だったが、午前には08年賞金女王の古閑さん、石川らと番組収録に参加した。

 司会の古閑さんから祝福の花束を手渡されスタート。子供の頃から活躍を見てきた石川と初対面し「カッコいい! 立ち姿からオーラが出ている。光栄です」と恐縮した。石川から「いろいろあったら何でも言ってね」と声をかけられ「ありがたかった」。古閑さんは賞金女王になった08年も同番組で石川と共演。2人からパワーをもらい、渋野には“吉兆”となりそうだ。

 収録では飛距離が売りの米ツアー2勝、キャメロン・チャンプ(米国)のプレーも間近で見た。「ヤバイっす。ショットが違う。『振る』って感じ」と刺激を受けた。収録後はチャンプに覚えたての英語で2ショット写真もおねだり。青木翔コーチも、優勝した8月の全英女子OP以来のキャディーを務め、終始リラックスムードだった。

 午後はコースに行かず高千穂観光に向かった渋野。「やっぱり観光地には行きたい。久しぶりに『キヨキヨ』してくる。いい状態で初日を迎えたい」。“しぶこ節”で、「清々(すがすが)しい」を表現する言葉も飛び出し、すっかりノリノリぶりも取り戻した様子。初タイトルで、シンデレラストーリーの1年を締める。(宮下 京香)

 ◆遼、絶賛「きらきら」で「サバサバ」

 石川は以前から「印象に残っていた」という渋野と初対面。同組ではなかったが、収録後に会話を弾ませ「カッコいい。きらきらしていた」と語った。

 渋野がツアー初優勝した5月のワールドレディスサロンパスカップ時は、腰痛で休んでおり、テレビに張り付いて観戦。「プレーがサバサバしていてゴルファーっぽくない。雰囲気が野球かソフトボールをやっている感じで、プロフィルを見たら『やっぱり』って」

 賞金女王を争う中で、前週Vの渋野を「チャンスを最終戦までつなげたのはすごい」とたたえた。

 ◆ツアー最終戦の優勝で決めた賞金女王 1988年のツアー制施行後では、95年塩谷育代、2004年不動裕理、08年古閑美保、09年横峯さくらの4例。不動は最終戦をランク首位で迎えて優勝のため、最終戦の逆転は3例。

 ◆TV番組で対戦 テレビマッチの「京セラ フェニックスチャレンジ」は12月22日午後4時からTBS系列で放送予定。男女ペア3チームの4ホールマッチ。渋野&チャンプ組のほか、石川&勝みなみ、香妻陣一朗&原英莉花組が出場。

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