武藤俊憲、シャフト試行錯誤「若手の壁に」…JTカップ12・5開幕


優勝したパナソニックオープンでドライバーショットを放つ武藤

優勝したパナソニックオープンでドライバーショットを放つ武藤

 ◆武藤俊憲(41)=フリー=4年ぶり8度目<パナソニックオープン優勝>

 今季の男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、ゴルフ日本シリーズJTカップは12月5日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCCで行われる。今季ツアー優勝者をはじめ賞金ランク上位の総勢30人が出場。「俺のトライ」と題して選手の挑戦をテーマに、全8回の連載で紹介する。

 40代を迎えたショットメーカーは思い切ったトライに打って出た。年齢による体の変化もありプロ19年目の前半は不振。ピンを狙う持ち味の攻撃的なショットは影を潜め、代名詞のビッグスコアが出なかった。トップ10は8月の1試合のみ。賞金シード確保も頭をよぎり「道具の進化もあるし、自分を維持するために」とクラブのシャフトを見直した。

 7月にアイアンのシャフトを全て日本シャフト「NSプロ モーダス3 システム3」に入れ替えた。高校時代から使っていた以前のシャフトと重さや硬さは変わらないが「しなりが大きい。つかまりやすく楽に振れる」と、インパクトでの打感とヘッドの抜け感に違いを見いだした。

 9月にはドライバーのシャフトも10種類以上試し、入れ替えた。同月のパナソニックオープンで爆発力が戻った。決勝ラウンド2日間連続のベストスコア64など最多26バーディーを量産。今平周吾ら賞金ランク上位勢を抑えて4年ぶりの通算7勝目を挙げた。「好調な選手を全部なぎ倒して勝てて。まだまだ頑張って若手の壁になりたい」と40代初Vで自信を取り戻した。

 日本シリーズは12年の2位など最終日最終組を4度経験。「2人の娘に頑張っている姿を見せたい」。豊富な経験と柔軟な思考を持つ“中年の星”はメジャー初Vを狙う。(榎本 友一)

 ◆武藤 俊憲(むとう・としのり)1978年3月10日、群馬・前橋市生まれ。41歳。実家がゴルフ練習場を経営する関係で、5歳ごろから祖父手製のクラブで遊んだ。前橋箱田中ではサッカー部でDF。前橋育英高から本格的にゴルフを始め、卒業後に研修生を経て2001年プロ合格。06年マンシングウェアKSB杯で初優勝。同年から14年連続で賞金シードを継続中。家族は妻と2女。173センチ、76キロ。

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