渋野日向子の1年を青木コーチが振り返る…ウェッジ練習1日700球、1年で7本目努力の女


青木コーチ

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 ◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアー 今季メジャー最終戦 LPGAツアー選手権リコー杯最終日(1日、宮崎CC)

 首位と2打差3位から出た、賞金ランク3位の渋野日向子(21)=RSK山陽放送=は3バーディー、1ボギーの70で回り、通算7アンダー2位タイと奮闘も約757万円及ばず、ツアー史上最年少21歳16日での逆転賞金女王に届かずにランク2位に終わった。18番では、AIG全英女子オープンを含め日米5勝とシンデレラストーリーを駆け上がった1年を象徴するように“しぶこスマイル”のバーディーで締めた。5位の鈴木愛(25)=セールスフォース=が2年ぶり2度目の賞金女王に輝いた。

 2017年秋から渋野を指導する師匠の青木翔コーチ(36)が1年間の戦いを中心に振り返った。全英OP後のしぶこフィーバーの苦悩などを明かした。

 渋野は全英後のフィーバーで、環境の変化に頭がついていかない部分もありました。「いつも通りの自分でやればいい」と言い、どこに行っても追われるストレスを発散させることをメインに考えた。

 1か月前の台湾はすごくリラックスできた。出掛ける時も「帽子取っていいよ」と言ったくらい。日本ではマスクをしてもすぐに顔がバレる。大好きなご飯も場所を選んで、個室じゃないと無理。最初は状況を楽しめた部分もあると思うけど、それが続くとストレスになる。一番つらいのは普通に生活ができないこと。本人は「つらい」「嫌です」とかも言う。楽しむ部分とつらさを経験して、いい大人になってほしいのが僕の願いです。

 17年のプロテストに落ちた子が、まさかメジャーを勝ってここまでになるとは誰も思っていない。いろんな子に勇気を与えたが、彼女がツアーに出るまでの1年半、どれだけ血のにじむような努力をしてきたか。ウチに来た当初、サンドウェッジで1日600~700球。努力は本当に胸を張れる。ウェッジは今年でもう7本目になります。

 まだまだ技量は足りないので、失敗して勉強したらいい。10月にZOZOチャンピオンシップの特別マッチを見に行く前に「タイガー(ウッズ)のアプローチは死ぬほど見ておけ」と言った。彼女は環境への適応能力があり、アスリートとして頭がいい。教え込むのは簡単ですが、少しずつ積み重ねて大きくしていきたい。理想的な成長の仕方をしていると思います。

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