渋野日向子、宮里藍さんの後継者へサントリーと国内女子最高契約 3年3億円


来季サントリーと大型契約が決まった渋野

来季サントリーと大型契約が決まった渋野

 女子プロゴルフの8月の海外メジャー、AIG全英女子オープンを制した渋野日向子(21)=RSK山陽放送=の来年からの所属先が、飲料メーカー大手のサントリー(本社・大阪市北区)に決定したことが27日、分かった。年明けにも正式発表予定。複数の関係者によると、日本や海外の企業約40社の争奪戦の末、20年から3年契約で総額3億円(金額は推定)の国内女子プロゴルフ史上最高額の契約でまとまったという。同社所属で日米通算24勝を挙げ、女子ゴルフブームを生んだ宮里藍さん(34)の後継者への道を歩む。

 平成のゴルフ人気に火をつけた藍さんから、令和の新ヒロイン渋野がバトンを受け継ぐ。女子ツアー関係者によると、藍さんと03年から所属契約を結び、女子ゴルフに熱心なサントリーの佐治信忠会長(74)の強い思いもあり、同社は渋野の全英制覇直後に打診。樋口久子以来42年ぶり2人目の海外メジャーV&明るい笑顔で世界を魅了した「スマイル・シンデレラ」の人気は規格外で、国内外から所属契約話が殺到していた。

 金額的にはサントリー以上のオファーもあったが渋野側は金銭面よりも、長きにわたって女子ゴルフの普及と発展に熱心に取り組む同社と佐治会長の考えに共感。さらに米女子ツアーに進出後の藍さんへの手厚い支援も、同じく米女子ツアーを志す渋野の決断理由になったとみられる。

 同社は、1990年から国内女子ツアーでサントリーレディス(兵庫・六甲国際GC)を毎年6月に主催。藍さんとはプロ1年目の03年から所属契約を結び、現役引退後の18年からは大会名に「宮里藍」の名前が冠された。今年6月の同大会に初出場した渋野は45位だった。それでもジュニア時代に、同大会のスナッグ(簡易版)ゴルフ大会で優勝していた縁もある。また、義理堅い渋野は今年2月から所属契約して支えてもらった、地元のテレビ局・RSK山陽放送とはスポンサー契約を継続する方針だという。

 全英女子優勝後の今季国内女子ゴルフツアーはギャラリー数が激増。老若男女幅広い層から人気と好感度は高く、“しぶこブーム”を巻き起こしてきた。来季は8月の東京五輪に加え、5つの海外メジャーなどへ積極的な参戦を予定し、グローバルな活躍を目指す渋野。ワールドワイドにビジネスを展開するサントリーのサポートを得て、“シンデレラ・ストーリー”の第2章へと突入する。

 ◆所属契約 新聞や雑誌記事などに常に露出することから、プロゴルファーが結ぶ契約の中で用具使用と並び、高額とされている。自社CMへの優先出演権やオフのイベントへの出席など、年間数日の拘束日が設定されている。ただ、そうした“縛り”を嫌う選手も多く、男子は宮里優作、池田勇太、今平周吾ら所属契約を結ばないトッププロも多い。

 ◆主な日本人プロゴルファーの高額所属契約

 ▼丸山茂樹 トヨタ自動車と06年から3年5億円。

 ▼石川遼 パナソニックと08年から5年5億円。

 ▼松山英樹 LEXUSと14年から3年6億円。

 ▼上田桃子 ソニーと08年から3年3億円。

 ▼宮里藍 サントリーと07年から3年2億円。

 ▼横峯さくら エプソンと07年から3年2億円。

 ※金額はすべて推定

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