女子プロゴルフの世界ランク5位で、東京五輪出場が有力となっている畑岡奈紗(21)=フリー=が6日、成田空港発の航空機で渡米した。当初は、次戦の米ツアー、ファウンダーズ・カップ(19日開幕、アリゾナ州)に合わせて11日に渡米を予定していた。だが、新型コロナウイルスの影響で米国政府が入国制限を日本に拡大する恐れがあることから、急きょ出発を早めた。
マスクをつけて取材に応じた畑岡は「11日に出発を予定していたけど、入国規制がかかるかもしれないので急きょ今日にした。(変更は)一昨日から考え始めたばかり。荷造りとか大変だったけど、(日本にいた約3週間で)充実した練習はできた」と説明した。
コロナ関連のニュースも気にしていたそうで、「どれくらい広がってしまっているとか、海外からも(情報が)入ってくる。米国がどういう対応するか、気になっていた。いつどういう発表されるか分からない。下手したら隔離されてしまうかもしれないし、今は結構緊張しています」と心境を口にした。
ツアーの選手のSNSなどもチェックし「アジアの選手が米国にいる様子が伝わってきた。私も早くいかないと危ないな、と思った」という。渡米時の不安についても「マスクをする文化は向こう(米国)はない。こっち(日本)では予防でしていても、変な目で見られるというか。入国する時が心配」と述べた。
米ツアーで4年目を迎え、五輪イヤーの今季は、1月に2戦連続2位と好調をキープする。2月の豪州シリーズは予定通り出場しなかったが、同20日開幕のホンダLPGA(タイ)、同27日開幕のHSBC女子チャンピオンズ(シンガポール)、3月5日開幕のブルーベイLPGA(中国)の3試合が新型コロナの影響で中止に見舞われた。「米ツアーでアジアの3連戦が中止になり、日本ツアーも2戦中止になったり。なるべく早くウイルスが収束してほしい」と祈るように話した。「東京五輪もどうなるかと言われていて、心配なことばかりですけど、今は自分ができる準備をするしかない」と語った。
国内に滞在中も全米女子プロゴルフ協会(USLPGA)のスタッフらと連絡を取り合っていたそうで「私が日本にいることを知っていたので、『元気でいることを願っています』とメールがきて、返信しました」と明かした。さらに、「コミッショナーからも定期的に、米国本土の試合をどう考えているかが(メールで)送られてきて、今のところはカリフォルニアの試合は開催予定という連絡がきている」とも語った。
今後はフロリダ州内の新たな拠点で調整した後、19日に再開初戦(ファウンダーズ・カップ)を迎え、26日開幕で昨年制した起亜クラシック(カリフォルニア州)、4月2日開幕のメジャー初戦・ANAインスピレーション(カリフォルニア州)と続く。「開幕(で2戦)してから空いてしまったので、早く実戦で(練習したことを)しっかり試せるようにしたい」と力を込めた。
6月までは米国に滞在を続けることも明かした。同週に米ツアーがないため参戦の可能性が浮上していた、地元・茨城で行われる国内メジャー・ワールドレディスサロンパスカップ(5月7日開幕)は見送り、米ツアーに専念するもようだ。