◆女子プロゴルフツアー NEC軽井沢72 第2日(15日、長野・軽井沢72G北C=6710ヤード、パー72)
ツアー単年登録の参戦1年目で、主催者推薦で出場する後藤未有(19)=やまやコミュニケーションズ=が26位で出て、6バーディー、ボギーなしの66で通算8アンダー。西郷真央(18)=大東建託=とともに首位に並び、初優勝に王手をかけた。昨年11月のプロテストで1打足りず不合格だったが、予選会を勝ち抜きプロ転向。2000年度生まれのミレニアム世代の後藤は、優勝なら来年のプロテストを受けずに日本女子プロ協会(JLPGA)の正会員になるチャンスを迎えた。
安田祐、古江らを擁するミレニアム世代の19歳・後藤が、リーダーズボードのトップに駆け上がった。14、15番で4メートルを沈めるなどパットがさえ、ツアー自己ベスト(アマ時代を含む)の66をマーク。「ラインが見えて自信を持って打てた」と声を弾ませた。
遅れてきたヒロイン候補だ。18年の日本女子オープン8位でベストアマに輝き、それ以前から活躍する同世代に続き、頭角を現した。だが、最終から受験した昨年のプロテストでは、合格した安田祐、吉田、西村とは明暗が分かれた。1打及ばず、2オーバー22位で不合格。JLPGA正会員入りを逃し、「あと1打、何とかしたかった。悔しかった」と振り返った。
ただ、“救済ルール”に拾われた。昨年の制度変更でJLPGA非会員はツアーの予選会を受験できない規則となったが、昨年のプロテストに限り、合格から2打差以内なら1次予選会に出場できる措置が取られた。ここでツアー出場チャンスをものにし、QTランク64位で単年登録プロとして活動している。仮にプロテストで合格ラインから3打差だったら、下部ツアーや今回のような推薦出場の権利もなかった。
後藤は、自身の立場について「周りから『プロ』って呼んでいいのか、という反応をされる。仮登録みたいなもの」と苦笑した。正会員になるには20―21シーズンで優勝するか、シード(賞金ランク50位以内)を獲得するか。来年3月以降に延期された自身2度目のプロテスト挑戦も視野に入るが、「優勝して受けないのが一番」。首位で並ぶ西郷と、どちらが勝ってもプロ転向2戦目の日本人最速Vとなる。運命の最終日へ「ガッツリ優勝を意識しながらでも勝たないと。この先、弱気なことは言ってられない」と力強かった。(岩原 正幸)
◆後藤未有(ごとう・みゆう)プロフィル
▼生まれとサイズ 2000年9月29日、福岡・北九州市生まれ。19歳。157センチ、58キロ。家族は母、兄、姉。
▼ゴルフ歴 4歳から。幼少時は小児ぜんそくに悩まされたが、宮里藍さんが出演するエアコンのCMを見て、憧れを持ち「ゴルフは激しくないからやってみよう」と始めた。沖学園高卒。昨年はナショナルチームで活動。
▼師匠 同じ福岡出身の男子・時松隆光選手会長(26)も習う篠塚武久コーチで、野球のバットのように握るベースボールグリップを教わる。
▼所属先 今年から「やまや」と契約する。「私、辛いもの好きで、めんたいこ大好きです」