渋野日向子、連覇へ警戒「魔の8番」…全英20日開幕


渋野日向子

渋野日向子

 女子ゴルフの渋野日向子(21)=サントリー=が20日開幕の今季メジャー初戦AIG全英女子オープン(ロイヤルトルーンGC)へ、会場からリモートで公式会見を行った。前週に予選落ちし“洗礼”を浴びたリンクスに加え、グリーンが狭い名物ホール・魔の8番(パー3)が日本人初の連覇へ立ちはだかる。先週末には懸命にショットの修正に励み、「去年と違った自分を見せられるように頑張りたい」と巻き返しへ闘志をたぎらせた。

 渋野は会見のトップバッターとして登場し、終始トレードマークの笑顔で対応した。現在の心境を「6が楽しみ、4がプレッシャー」と表現し「去年と変わらない自分らしさと、去年とはまた違った自分を見せられるように頑張りたい」と決意を込めた。

 前週スコットランド・オープンは14オーバー、132位でプロ転向後自己ワーストの成績で予選落ち。風が強いリンクスを初めてプレーし“洗礼”を浴びた。全英に向け15日は「ハーフショットでいい動きをする練習」で修正。17日に会場で18ホールを回り「バンカーに入れないように」と第1打を鍵に挙げ「グリーンも軟らかい。先週より回りやすい」と前向きに語った。

 2度目の全英は林間コースの昨年とは様変わりする。「ポステージ・スタンプ(郵便切手)」と呼ばれる魔の8番パー3(114ヤード)が連覇を狙う渋野に牙をむく。「昨日は右のバンカーを練習したけど、難しかった。テレビで見る以上にグリーンが狭く感じた」。長いオフの期間に習得した多彩なアプローチが重要になる。16年男子の全英オープンを映像で予習したが、肌で味わった印象は別物。メジャーの象徴といえる名物ホールを警戒した。

 前週は「ちょっとこれではやばい」と明かしたが、今週は「自分なりに楽しめたらいいと思うようになった。今の最大限の力を出して、いいゴルフをしたい」と持ち前の明るさを取り戻した。「至るところに私の写真がある。(前回優勝者)専用の駐車場があったり。現地に入り、重圧よりチャンピオンとしてこの試合を迎えられることにすごく誇りを感じた」と気持ちを高ぶらせた。

 海外メディアに対しても「ハロー!」と元気にあいさつした。悔しい前週からV字回復での連覇に向け「一瞬たりとも無駄にせず、いろいろかみしめてこの1週間は生きていきたい」。“スマイリング・シンデレラ”は全てを受け入れ、難コースに挑む。

 ◆米女子プロゴルフのメジャーでの連覇 13年からエビアン選手権がメジャーに昇格して、年間5大大会となったが最多は3連覇で、03~05年全米女子プロ選手権のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)、11~13年同大会の朴仁妃(韓国)の2人。渋野が今大会で勝てば全米女子プロ3連覇の朴以来のメジャー連覇達成となる。また、全英女子オープンでは01年のメジャー昇格後では10、11年の曽雅二(台湾)に次いで2人目となる。

 ◆8番パー3 ティーグラウンドからグリーンが「切手」のように小さく見えることから「ポステージ・スタンプ(郵便切手)」と呼ばれる。114ヤードと距離は短いが、グリーン周りに底が深いポットバンカーが5つ。2016年の全英オープン第1ラウンドでは、日本ツアー屈指のショットメーカー・宮里優作が第1打を左に曲げ茂みにつかまるトラブル。球が埋まり救済処置として1罰打でドロップし、3打目は警戒したグリーン奥のポットバンカーへ。5オン2パットの7打をたたいた。

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