男子プロゴルフツアーのダンロップフェニックスは19日から4日間、宮崎・フェニックスCCで行われる。前週のメジャー、マスターズ(米国)を44位で終えた、昨年大会覇者の今平周吾(28)=フリー=がコロナ禍で超異例となる厳戒態勢下で試合に臨むことが18日、分かった。
今平は17日午後に成田空港に到着した。当初は帰国後2週間の隔離を予定していたが、12日に運用された五輪強化指定選手に対する自主隔離の緩和(通称・アスリートトラック)が適用され、必要な防疫措置をとった上で大会出場が可能に。2年連続賞金王はゴルフ界初の適用となり、16日に参戦を決めた。他競技での自主隔離免除は、今月上旬の体操国際大会(東京)で海外選手の来日後の免除がある。
今平が帰国時に受診した新型コロナウイルスのPCR検査は陰性でこの日、神奈川県内の自宅を出ると新横浜から新幹線で福岡・博多まで移動し、車内にビニールシートを設置したハイヤーで宮崎入り。新幹線の座席も社会的距離確保のため、6席を確保する徹底ぶりだった。
今週はフェニックスリゾート内にあるコテージに滞在し、提供される食事を自室で一人で食べるという。トレーナーの施術も1回15分以内に限られる。大会本部は急きょ、クラブハウスに入れない今平だけのリモート取材用のプレハブ小屋を設置。選手、大会関係者とも距離をとり、報道陣も接触できない。
強行参戦の背景には、来夏の東京五輪出場に向け、世界ランク(76位)を上げたい意向があるとみられる。マスターズでは「今年は海外でも自分のゴルフができるようになった」と初の予選通過に自信を深めた。厳戒下のトーナメント。ぶっつけ本番で連覇に挑む。(岩原 正幸)
◆アスリートトラック 五輪、パラリンピックに関連し、大会に出場する日本人及び外国人選手に関し、必要な防疫上の措置を講じた上で入国を認め、14日間の自宅等待機期間の活動(大会参加等)を可能にする特例措置。到着空港での検査や健康管理、行動管理が定められる。公共交通機関は利用せず、車移動が原則だが、競技会場が遠方の場合は航空機、新幹線等を限定的に使用できる。