◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアー 最終戦メジャー JLPGAツアー選手権リコー杯第1日(26日、宮崎CC=6543ヤード、パー72)
昨年大会2位の渋野日向子(22)=サントリー=は1イーグル、3バーディー、1ボギーの4アンダー、68で首位と1打差、約1年ぶりに2位発進した。弱気な発言ばかりだった約1か月前の姿はなく、持ち前の明るさを取り戻し、昨年11月の大王製紙エリエールレディス以来の日米通算6勝目を狙う。メジャー連勝を狙う原英莉花(21)=日本通運=が5アンダーで首位。
終盤の17番で初ボギーを喫しても、渋野には笑い飛ばす余裕があった。「それまでノーボギーなのがビックリなくらいで若干安心した」。苦悩が見て取れた、これまでとは明らかに違った。9番パー5では2オンに成功してピン奥7メートルからのイーグルパット。初コンビを組んだ佐藤賢和キャディーの「入れ!」のかけ声とともに、ボールはカップに吸い込まれ、クラブを持ち上げて喜んだ。「あれは完璧」と、自画自賛した。
68で首位と1打差。直近で優勝した昨年11月の大王製紙エリエールレディス以来、約1年ぶりに初日2位と好スタートを切った。前週から3ラウンド(R)連続の60台は昨年8月のNEC軽井沢72の1~3R以来。「かみ合ってきつつあるのかな」と、手応えを口にした。
国内復帰戦となった10月末の三菱電機レディスで予選落ち。「去年の自分に戻りたいって、1か月前は思っていた」。海外メジャーを勝ち、国内賞金ランク2位と良かった頃の影を追っていた。この日はリモート取材の画面越しにも明るい表情で、「これからまた(新しい自分のゴルフを)つくり上げていくという捉え方に変わっている。“戻る”という考えは良くない」と、胸の内を語った。
家族や周囲と話をする中で気持ちに変化があったといい、「ミスしてグリーンを外した時、アプローチでパーを取れるか(不安に)考えていた。今はどこに落として、どう寄せるかイメージするのが楽しい」と、うなずいた。パッティングの復調も重なってスコアに表れるようになり、「今日は60点」と、“辛口採点”でも及第点を与えた。
第2R(27日)は最終組でプレーする。「久しぶりの位置で舞い上がってしまうところもあると思うけど、自分にできる最大限をできるように。強気で行かなきゃダメですね、そろそろ」。苦難を経て成長した渋野が頂点へ突き進む。(岩原 正幸)